どうも中田敦彦です さあ今日のテーマがシリア
アサド政権の崩壊ということでしてね いや
これすごいことが起きてるんですね ただね
皆さん分かります シリア アサド政権の崩壊
これがすごいことなんだっていう
ニュースがどうすごいのかが分からずに
震えてるんですよね ええですが これだけ
ニュースになってるってことはどうやら
国際情勢の一大事だっていうことは感じ
てらっしゃる だからこそこの動画を見ようと
思っていただいたんですよね まさにその
通りです これはですね 国際情勢の一大転機となる
出来事なんですよ これが分かっていないと
正直国際ニュースの何も分かっていないに
等しいんです なぜならこの中東の
紛争や中東のもめ事というのは 世界中の国が
関わっている 勿論アメリカやロシア
イスラエル イランといったところが関わっているので
ここが分からないと 国際情勢何も
分かってないに等しいんです ですが逆を
言えば ここさえ分かれば国際情勢の中枢
が見えてくる つまりこの授業を最後まで
ご覧いただけたら 国際ニュースがガーっと
分かるようになるんです なので最後まで
是非聞いていただきたい 分かるように説明
させていただきたいと思います まずなんで
ニュースになってるのか これ12月8日に
ですね シリアの首都が反体制グループに
よって制圧されたっていうことですよね
日本で言うと東京がですね 反政府軍によって
制圧されたみたいなことですよね いや
すごいことですよ シリアのダマスカスという
首都がですね 反体制軍によって制圧された
これはですね まずシリアがどこなのか
そこから説明させていただきたいと思います
イメージ湧いてないんですよね そうなんです
シリアというのは 中東の国なんですが
レバノンやイスラエルと そこの国境を
接してる中東のですね その北の方の国な
わけですよ ええ このシリアそれがですね
どういう状況だったのかも含めて説明し
なきゃいけない そのタイトルになったの
はですね アサド政権の崩壊っていうんですよね
アサド政権のアサドが何なのかわからない
そこからですよね アサドが人の名前なのか
その野菜の名前なのかも分からないわけですよね
ま どうやら人であると そこはわかってると
馬鹿にするな そこですよね この
アサド政権っていうのが崩壊したのが
そんなに驚きなの 驚きなんですよ
ものすごい独裁政権 しかも2代に渡り
50年間も独裁してたんです そこが倒れた
これは50年ぶりのとんでもない転機な
わけですよ さらにそれがどれぐらいの戦い
の中で倒れたか これが衝撃なんです
反体制グループが動いたのが11月27日から
つまりなんと12日間で 12日間の
電撃的な作戦で50年間の体制が崩壊した
って言うんですよ え どうしてどうして
そこも含めてご説明させていただきます
まず先ほど申し上げましたようにですね
基礎情報からなんですよね 50年間
1971年に現在のアサド大統領の父親である
ところのアサド大統領 アサドって苗字なんですね
このアサド大統領が独裁をしいてから
なんともう50数年に渡るという状況の
国でした 中東の はい その上でですね
国は平和に収められたかというとそうではなくて
そんな激しい独裁でありまして さらに
かなりですね 弾圧とか情報とか監視とかも
厳しかったので反乱が起きた中で さらに
2011年ですね アラブの春ということで
アラブ地域一体にですね 民主化の動きが
すごい盛り上がった時があったわけですね
それで軍事独裁政権が倒れた国なんて
いうのもあったわけですね その流れの中で
この民主化の動きっていうのがわーっと
盛り上がった ですがこのアサド政権はそこに
激しい弾圧を加えて そこから内戦が
始まったんですよね 反体制派と政府軍との間で
内戦が起きて なんと13年間 その
2011年から現在にわたり13年間 内戦が
続いていた国です はい だいぶ見えてき
ましたね 中東なんだと イスラエルとか
レバノンとか 今地図出てると思いますけども
あ この辺りなんだと イラクがあって
イランがあって 南の方にサウジがあって
大体この辺りの 揉めがちなとこだよね
イスラエルのあそこ 大変なとこだよねと
そのエリアは親子2代 50年間独裁されてました
その上で13年間内戦が続いていました
民主化しろ しない そういった状況
じゃなんでそこの国がですね それだけ
強かったのか 50年も独裁できたのか 裏には
そこを支援する国もいたわけですよね
それがイランそしてロシアなわけです
イランですとかロシアですとか そういった
ところが 自分たちの言うことを聞く国を
作っておきたいので 独裁政権だとしても
ですね もうそのトップさえ自分の言うこと
を聞けば 自分の国に親しい国になるわけ
ですから ロシアっていうのはですね 周辺に
自分の言うことを聞く国を作っておきたい
というところありますよね というのも
NATOですとか そういったヨーロッパですとか
向き合わなきゃいけないところがありますし
広大な国土を持ってますから いつどこ
から攻められるか分からない 周辺諸国に
味方を作っておきたいというのは ロシア
は強いわけですけども そのロシアはこの
シリアをですね 自分の味方国として置いて
おくためにも このアサド政権を支援した
わけです そしてイランという国はですね
どういう国かというと もう最も反米の国
なんですよね アメリカに対して最も敵対的
な姿勢を取る国 そしてそのイランが この
シリアを味方につけてですね その
アメリカですとか その流れを組む
イスラエルですとか そういったところと
戦うためのですね 味方の国として置いて
おくためにも アサド政権を支援してたという
流れがあるわけです ロシア イランのチーム
にいて 50年間親子2代で独裁してて
13年間内戦が起きていた そんな国がなんと
12日間でひっくり返った そういうニュース
だいぶ見えてきましたね はい その上で
敵対してるグループはもちろん今
言ったようにアメリカ イスラエルそして
トルコ この辺りもですね 敵対する
グループ トルコはどちらかというと逆にですね
反体制グループ 反体制派を支援して
たんですね そういったチーム分けの構図も
見えてきたと思います ではその次に気に
なるのが どうして13年間内戦してて
50年間独裁されてた国が 12日間で決着が
ついたのか ここなんですよ 一体なぜそんな
すぐに決着がついたの 弱かったの いやいや
ここはですね 周辺の状況がまず大きい
ロシア ヒズボラ イラン ここをですね
3本柱として支援を受けてたのが このシリアの
アサド政権だったんですね ロシア なぜその
支援がなくなったのか そうこのね 3本柱の
支援が全部なくなったんです ロシアはまず
先になくなりましたよね それ皆さん分かりますよね
なぜか ウクライナとの戦いが
長期化してるからですよ
ロシア軍っていうのはですね このシリアに
数千人いた時もあったんです ところがそれが
全部ウクライナとの戦争が始まってから
全部転戦 転勤みたいなもんですよ 全部
ウクライナに行けー 今ね ロシアは北朝鮮の軍
なんかも使ったりして もうとにかく総力を
上げてるぐらいの侵略してますよね そんな
中でシリアにですね 面倒を見てる暇はない
んだということで シリアに置いていた数千人の
兵隊たちも 一気にウクライナに向かわせた
わけですよね それによってロシアの支援
っていうのが1個なくなったわけだ でも
まだ支援があった それがヒズボラとイランなんです
ヒズボラって聞きますよね 最近ね
イスラエルと戦ってるよって話聞きません
そうなんです このヒズボラというのは
レバノンにいるですね レバノンを拠点としている
そういったイスラムのですね 過激派
なんですよね イスラム過激派の中でも
その今 ハマスというね そもそもハマスと
イスラエルと戦い あれはパレスチナのガザ
地区にいる その過激派なわけですよね その
ハマスとヒズボラはパレスチナのガザ地区
の過激派がハマスで
レバノンの過激派がヒズボラであるという
ことです ハマスとイスラエルが戦ったのに
こうして俺たちもやるぜと 参加するぜと
いうことで ヒズボラもイスラエルとの戦いに
身を投じてくわけです
去年から
ヒズボラも元々はシリアのアサド政権
を応援してたんですけども イスラエルとの
戦いでそれどころではなくなってしまった
さらにはそのヒズボラを支援していたイラン
そう 反米のリーダーですよね 反米チームの
リーダー 反アメリカチームのリーダー イランが
直接今度はイスラエルとやり合う関係に
なってったんですよね
弾道ミサイルでイランがイスラエルを
攻撃したかと思えば イスラエルが今度は
イランを空爆する そういった直接対決の
赴きも出てきた中で イランも
シリアのアサド政権の支援の方に回れなく
なった つまり3本柱の1本はウクライナと
2本はイスラエルとの戦いで 自分たちの
ことで手一ぱいになったんですよ
それによってアサド政権は支援の3本柱を
失っていた はい これが外の状況です
じゃ中の状況 こっちもすごく問題だったんですね
実はですね その12日間で早期決着がついたのは
支援が来なかったとしてもですよ
政府軍がいるじゃないか これがありますよね
アサド政権のその子飼いの政府軍が戦うん
だったらこれは大変ですよと 支援がなかった
としても抵抗すごいですよってなるかも
しれません これがなんと今回この12日間
政府軍がですね ほとんど
戦わなかったっていうんですよ
劇的に士気が落ちてたんです それなぜか
もちろんこの3本柱が機能しないぞという
タイミングが分かっていて向こうも来て
ますけども こっち側も分かってて攻められ
てますから 支援来ないじゃないかよと
その上で リーダーこのアサド大統領がですね
いち早く逃げたっていう報告が入ったん
ですよ そんでアサド大統領がですね お前たち
戦えみたいなことをですね 鼓舞してですね
自分が戦闘に立つみたいなことはしなかったんです
給与は50%アップするから戦え
そういう
指示はあったみたいです お金上げるよと
給料上げるよと
しかしそれで喜ぶ兵隊たちはもういなかった
なぜならもう13年も内戦してるんです
疲弊してたんです その上で
この徴兵令でね 若い人たちを兵士にする
この徴兵とかもですね 激しくてですね
はい その戦争 もう13年の内戦に
若人たちがですね 駆り立てられるもん
だから もう怖くて なんとですね この
13年間の間に500万人から
600万人もの人間が
国外に逃亡してるんです
兵隊になりたくない アサド政権の元で
兵士として徴兵されたくないっていうこと
を理由に600万人から500万人も 国外に
難民として逃げてるんですよ
しかもそのうちの300万人はトルコ
トルコに行ってるということらしいんですよ
そして政治犯とか捕まえてね それでただ
処刑するだけじゃなくて拷問を加えたりし
てたんです 激しい拷問を加えてる 徴兵され
たらすぐ戦いに行かされる 13年間終わら
ない戦いをしている
それも同じ国民同士で
自国の国民に向けても容赦なく空爆を
仕掛けてきてたんですずっと このアサド大統領は
そこには何十万人の国民の命を奪い その
中には数万人の子供の命もいたということ
なんですよね 容赦のないその大統領の姿勢
さらにはお金はちょっとくれるけど 自分は
フロントには出てこない いち早く逃げた
なんて話もある 一切 国民の信頼 忠誠
というのがなかったんです 外の支援が
なくなり 国民や兵士の信頼と忠誠が
なくなり その上で最後のとどめが反体制派
の準備が整ってたって話なんですよ 反体制派
ですね そのイスラエルとハマスの戦いに
呼応してヒズボラやイランが巻き込まれるように
なった1年前から 1年がかりでこの作戦を
準備しておりました
なんと反体制派のグループは色々といる
んですけれども トータルして数えるとなんと
2万5000人も集まっていたっていう
んですね ロシア軍数千人とかね その
ヒズボラ数千人とか イラン軍数千人とか そう
いう数千数千数千っていうのが支援で来てた
としても ぶつかりあえる
ほどの人数 2万5000人も
集まってた その上でですね 武器 最新
の武器 ドローン兵器 無人兵器なんかも活用
し始めた そういった準備が
きっちり整って 北から
南から東から西から なんと同時発的に一気に
砲撃したんです 1年準備かけて いろんな
グループが反体制派で連絡取って 行くぞーって
言って 一気にやった だからもうこれはだめだ
支援は来ないし 東西南北全部が一気に
立ち上がってる そして兵隊たちはどうしたか
武器を置いて逃げたんですよ もうやめてくれ
もうだめだ 武器を置いて逃げる
もう交渉してですね 何もしないから
ここを市を明け渡すから 俺たちを首都
ダマスカスまで逃してくれって言って どんどん
どんどんですね 兵隊たちはダマスカスに
逃げてった ダマスカスで最終反撃を食らわ
せるのかなと思ったら それもしなかった
っていうんですよ
そしてですね ちょっとだけ抵抗するような
部隊がいたとしてもですよ その最新
の武器プラス2万5000人プラスですね
その逃げていった兵隊の武器とか戦車を
回収しているもんだから どんどん勢いが
つくわけですよ 武器を取りながら進んで
いくわけですからね そして電撃的に最後は
首都を12日間で制圧した 首都制圧に
当たってもほとんど抵抗を見られなかった
つまりですね もはや腐敗しきってですね
ボロボロの状態だったわけですよね 国民の
怒りや不満はたまりにたまり ほとんどの
兵隊たちは逃げ 徴兵されるべき若者たちも
国外に逃げ そういった状況にあったという
ことだったわけです いかにすごい 凄まじい
状況が繰り広げられてたか 頭に入って
いただいたと思います その上でですね
皆さんはですね このロシアとかイランは何を
考えてたんだろうとか いつどのタイミングで
どうなったんだろうとかっていうのをですね
もっと広い世界史的目線で 理解して
いただきたいと思ってですね ここからは
ですね もう16世紀からざっと
エクストリームに喋ってきますんで でも
細かいこと言いません ビュンビュン飛びますから
分かっていただきたい 大体何が
起こったか分かりましたね 主要な
プレイヤー どんな国だったのか 何が起きたのか
分かっていただいた中で じゃなんで
そんな国になっちゃったんだろう ここですね
なんでそんな国になっちゃったの なんで親子
2代で独裁してたの ここまで分かるように
なると 国際社会がもっと分かると思います
16世紀このエリア オスマン帝国の支配を
受けてたんですね ところがオスマン帝国
このアラブのですね ゆうが破れる事態が
起きるんです それが第一次世界対戦ですよね
つまりイギリス フランス全盛期でございます
オスマン帝国に変わって20世紀から
このシリアの地域を支配していたのが
フランスです そしてこのフランスの支配の
最中に この独裁政権の火種は生まれてたって
いうんですよ 一体何か 実はですね この
アラブのエリアはですね やっぱりイスラム
教っていうのが1番強い宗教ですよね
ヨーロッパはキリスト教 中東はイスラム教
元々はですね それがあのユダヤ教という
ところから痰を発して だんだんとそれが
キリスト教になり ユダヤ教2.0のような
形でですね ユダヤ人じゃなくても神に
救われる ユダヤ人は神に救われるこれが
ユダヤ教ですよね 一神教の始まりですよ
それまでは多神教だったわけです ギリシャ
神話とかいっぱい神様が出てきますよね
うん 日本の神話なんかもアマテラスがいて
スサノオがいてって神様いっぱいいます でも
このユダヤ教という宗教はですね 初めて
神が1個 神は1つ ということだったんです
いろんな神が出てこない キャラクター
物語がない その代わり神は1つ なので絶対に
その神をみんなで信じよう そしてその1つの
神を信じることができれば我々
ユダヤ人は救われる そういったのが一神教
にして選民思想 我々民族は救われるというのが
ユダヤ教だったわけですよね この
ユダヤ教が発展してできたとも言える
ユダヤ教の宗教改革に入ったのが イエス
キリストでしたよね イエスキリストはその
ユダヤ人の支配の中で ユダヤ人じゃなくても
救われるんじゃないかということを解い
ていき 処刑されてしまうけれども その弟子
たちによってキリスト教の教えが普及された
世界観としては一神教であり 教えでは
共通するところがあるので 旧約聖書という
ことでイスラエルのユダヤ教の聖書を律法
戒律というのを旧約聖書と呼んで新約聖書と
いうのがキリストの言行録としてまとめた
ものがキリスト教となりヨーロッパに広がった
わけですよね ですがこのヨーロッパに広がった
その神の教えとかガブリエルとか というのを
その中東のアラビア半島のムハンマドが
啓示を受けて知ったということで 一神教を
中東エリアに広めていったのがイスラム教
になるわけですよね なのでイスラム教は
キリスト教やユダヤ教の教えや世界観も
引き継いでいるけれども 3.0となった
ユダヤ教ね があるんですけども
1.0は2.0を認めないし 2.0は3.0を
認めないということで ユダヤ教は
キリスト教とちょっとバチバチしてるし
キリスト教とイスラム教もバチバチしてる
という状況の中 そういうことが起きて
いったわけですよね そんな中で その
ムハンマドが死去した後 派が分かれるん
ですよね これ世界史でやってますけども
子孫こそがその教えをね 正統に
引き継ぐんだというシーア派と いや子孫じゃ
なくて教えこそが大事なんだから子孫関係
ないでしょというスンニ派に分かれた これ
教え引き継ぐのは子孫にシーヤ
子孫にスンナで シーア派とスンニ派と覚えて
くださいって私は世界史の授業でよくやっ
たんですけども このシリアにおいて 多数派
なのはですね スンニ派だったんですよ
スンナ派 スンニ派
ところがシーア派の中の一派の アラウィー派って
のもあるらしいんですね 難しい 2派で
覚えるの大変なのに その派でも分かれてたの
うんごめんね 分かれてたよっていうことなんだよね
うんなんでって 知らない 人だからっていう
分かれるでしょ人って だって仏教だって
いっぱい別れてんのよ 臨済宗とかね
曹洞宗とか色々 なんとか宗 あれ仏教に
まとめない まとめれない 教えちょっとずつ
分かれる そういう話だよね シーア派の中でも
アラウィー派っていう少数派がいたんです はい
これ何の話してんの フランスの話 フランスはですね
この多数派であるスンナ派を 言う
ことを聞かせるにはどうしたらいいだろう
と考えた時に 少数派のこの
アラウィー派を優遇したんです
アラウィー派の人間 フランスの言うこと
聞いたら君たち少数派でマイノリティだったけど
偉いところにつけてあげるよ いいお金
あげるよ フランスの言うこと聞かないって
言ったら聞くんだよね なんでかって言うと
そのままの状態だったら少数派で いい立場を
もらえてなかったわけですよ ところが
少数派に対して甘い汁を与えることによって
フランスに対して徹底的に従順な
グループを作ることに成功するわけです
フランスはシリアをコントロールするために
宗教的分断をですね 利用して少数派を
フランスに懐柔していった そこで
のし上がっていったのがアラウィー派だったんです
その後 第2次世界大戦が終わり
いろんな国が独立するという流れがあるんですね
そして1946年 第2世界大戦後の
時にですね このシリアも独立を果たすんですが
フランスの爪跡は残ってる アラウィー派
が影響力を持ったまま スンニ派を支配するという
構図だけが残ってたんです そしてその
アラウィー派の中で台頭していた人間それが
ハフェズアサド このハフェズアサドというのは
国防大臣だったんです 最近聞きましたね
韓国の国防大臣が提言をして そして
大統領が戒厳令を出す そんな話聞きましたよね
今回このハフェズアサド国防大臣が
クーデターをその時起こした それが
1970年のことでした そして1971年
翌年ですね このクーデタを起こした国防
大臣が大統領に主任する 韓国と違います
クーデター 戒厳令 そういうのもが成功したって
いう例なんですよ
しかしこのアラウィー派によるスンナ派の支配
というのが ここから50年続きます
それはフランスがお膳立てしたものとも
言えるかもしれないわけですよね そこから
繋がってるわけだ なるほど その上でその
20数年後ですね 後継者と目されていた
長男がですね 交通事故で死亡してしまう
ことによって 急遽ですね 眼科医になる
ためにイギリスに留学していた次男が
呼び戻されます その次男こそが後の
バシャールアサド大統領なわけです
呼び戻された次男が その後に陸軍士官
学校に入り 後継者の道を歩もうとします
そして2000年に父親である初代ハフェズ
アサド大統領が死去したのと同時に
バッシャールアサド 次男坊ですね が世襲して
そのまま大統領を継ぐということになる
わけですよね この時点でやはり独裁国家に
なってるわけですよ でもう選挙じゃないんです
世襲で大統領継ぐという状況なんですね
そしてご説明した通り 2011年にアラブの春
が始まり それを徹底弾圧し内戦が開始
しました そこから一波乱二波乱起こります
まず一波乱 2014年にイスラミック
ステート イスラム国と呼ばれたISですよね
ISというものが台頭してきて そこは
違うグループなわけですよ ISがですね
シリアとイラクにまたがるエリアに 国家を
勝手にですね 宣言するわけですよね この
時のISの勢いってのはとてつもなかったわけ
ですよね それによってですね 一時期はですね
このアサド政権の影響力ね この自分の
国の中に勝手に国家を宣言されてるわけですよ
そんなことさせてていいのかって
いうことなんですよ つまりですね ここと
いうのはかなり力が拮抗してた ISの力が
すごかったんですね それによってISと
反体制派というのが どんどんと力を
伸ばしてきてですね 一時期はもうアサド政権
やばいんじゃないかというとこまで行き
ました それが2014年でした ところが
事態がひっくり返るのが2015年なんです
何が来た ロシアが来たんですよ ロシア
がそのシリアの ISであるとか反対制派
っていうところに軍事介入してくるんですね
なぜかというと先ほど申した通り ロシア
というのはヨーロッパやアメリカと対決
構図取っております NATOとかとピリピリして
おりますね で国土が広いのでいつどこから
攻め入られるか分からないという 恐怖心もある
ので周辺諸国に緩衝国 クッションですね
間となる国というのを持っておきたいという
のを常に考えている だからこそですね
あそこの独裁政権ピンチだな じゃあ助ければ
こっち側につくだろう 言うこと聞くよね
ということで軍事介入に入る 自分の緩衝
国作りに入ってくるわけです そして反体制派や
ISに向かって空爆をしてくわけですよね
それによって一気にアサド政権は息を
吹き返していきます ロシアだったんですよ
このアサド政権の息を吹き返させたのは
そして3年後にはですね ダマスカス近郊の
ですね 反体制派の拠点を完全制圧して
一気にアサド政権は盤石のものとなったわけですね
アラブの春の勢いは今や昔 ロシアの後ろ盾
により もはやアサド政権に反旗を翻す
ものなしということになった そしてそこ
から5年後 2023年 12年ぶりですね
アラブ連盟に復帰する これどういうことか
と言いますと アサド政権
倒されそうだな どうする アサドと
仲良くする シリア ま1回ほっとくか どっち
が天下取るか分からないし という状況だったのが
もうこれアサド政権安定してるよね
じゃあちょっと仲良くしといて 交流しといた方が
色々といいよね ということで関係
改善にだんだんと はしってですね 周辺諸国
の了承を得て 12年ぶりにアラブの連盟に
復帰したよという それがなんと2023年
なんですよ なので2023年の上半期の
段階ではアサド政権盤石なんじゃないって
なってたわけです つまりロシアは忙しそうだけど
イランもヒズボラもいるもんねと レバノン
のヒズボラもいるもんねが続いてたからです
ところがその 下半期 10月ですね
ハマスとイスラエルの戦闘が始まるとヒズボラも
イランもその戦いに飲み込まれていった
そしてそこから先を予想した反体制派が
1年間準備をして電撃作戦に出たと そして
50年にわたるアサド政権はついに
2024年崩壊した それは
1971年の初代アサド大統領就任から50数
年後のことであったというお話でございます
なるほど
そこには最初はフランスの分断を利用した
支配の仕組みがあり それにアラブの春で
もう1回塗り替えようとしたけど弾圧があり
イスラミックステートの台頭とピンチが
あったけれどもロシアの介入でそれが
抑え込まれ もう1度波に乗ったアサド政権は
盤石かと思われたが イスラエルとの争いに
後ろ盾を飲み込まれ ついに反体制派に
制圧された その間に政府軍というものは
一気に全ての士気を失っていた なぜなら
あまりの独裁体制 あまりの監視体制 ひどい
拷問 非人道的な行いに もはや士気はなかった
からであった というお話でございます
とてつもないアラビアンナイトなわけですよね
いや この物語一体これからどうなるのか
この未来の話もしていきたいと思います
その首都が制圧された12月8日 その
大統領であるところのバシャールアサド大統領
ですね 飛行機で首都から逃亡した 離れたと
いうことが報じられました 逃げる時に
ですね 自分は大統領を辞めるということと
権力はもう委譲していい 渡していいと
いうことを伝えたということも含めて 報じ
られております それを受けて翌日の
12月9日そのアサド政権下におけるジャラリ首相
という人がですね その反体制派の中で
最も仕切っていたグループであるところの
HTSというグループの代表ジャウラニ氏と
ですね 会談をして政権を委譲すると
権力を委譲すると これからあなた方で
仕切ってくださいということを平和裏に行う
ということをアピールした動画を公開した
んですね このHTSがね それによって
今後こっちが仕切りますよという風になる
わけですね これなぜ公開したかと言うとですね
平和裏にこう委譲するよ ということ
も含めてですね 国民と国際社会の理解を得たいと
いうところがあるわけなんですね
国民の皆さん 国際社会の皆さん これからは
この反体制派がシリアをまとめますんで
なんとか支えていただければと思いますと
いうご挨拶の話なんですね 今後どうなっ
てくのか 国際的にはですね このシリア及び
中東におけるですね ロシアやイランの影響
力というのは低下するだろうという風に
言われてるわけですね 今回の出来事は
シリア目線からするとイランの支持が
なくなった だから崩壊したという話になる
んですけども イランっていうのは中東における
反米のリーダーだったわけですよね
こういったイランを中心とするですね
アメリカに対抗する イスラエルに対抗する
という組織の集まりをですね 抵抗の枢軸
と呼ばれたんですね それはヒズボラで
あるとかハマスであるとか 親イラン的な
そういった武装集団 そういったのを抵抗の
枢軸と呼んでたわけですけども そういった
イランを中心とした反米的な
反イスラエル的な抵抗の枢軸という
ネットワーク ここら辺のですね
イランのですね 影響力というのは低下する
一角だったわけですシリアも その
シリアがグルっとひっくり返って 今度
どうなるかというと トルコやアメリカの
影響力ってのが増えてくるわけですね なんでか
もちろんトルコにものすごい数の人間
が難民として行っていた そういった人
たちが戻ってくるなり トルコと交流するなり
していくわけですから やはりトルコがこの
シリアに関しては影響力を外国としては
持っていくことが考えられますし
反アメリカ的なグループの一員だった
アサド政権が倒れたことによって
イスラエルやアメリカ そういったところの
影響力がこのエリアにも及んでくるってことが
予想されるわけですね ただじゃあここで
もう平和が訪れたのかということなんですけど
そうとも言いきれないという見方も出てる
わけです どうしてと それはですね このHTS
というグループ自体がですね アメリカや
国連からですね テロ組織だということで
指定されてるんです そしてHTS自体も
ですね 今までのですね アサド政権化の非人道的な
拷問に関わった政府高官の名前 名簿も
公表するなんてことを言ってですね 今まで
のアサド政権の非人道的行為に関しては責任
を追求していくっていうことを言っているんですが
国連からはですね このHTSも
拷問や処刑などを行ったなんていう報告も
しているわけですよ なのでHTSもテロ
組織であり 拷問や非人道的なことを行って
きたなんていうお話があるわけなんです
だとしてですよ このHTSだけでもない 他にも
色々な反体制グループがあるわけです
だとしたらですね 本当にHTSを中心に
まとまるのか それとも反体制グループ
の中で主導権争いが起こるのか
そこもまだ分からない 上にそのHTSが
アメリカやイスラエルとうまくやって
いけるのかどうか 国連や国際社会とも含めて
うまくやっていけるのかどうかも分から
ないわけですよね トルコがここを
コントロールするとも限らないと言われてる
つまりお先がまだ見えないわけですよ
誰がうまくコントロールしてくれるの
HTSで大丈夫 HTSは諸外国と
うまくやれる HTSは人道的なグループ
アメリカ イスラエル そういったところは
どういう風にここに関わっていくの そこが
まだ全く見えないという状況の中で難民は
溢れている トルコにいる難民も戻りたい
と思ってる人もいるし 戻らずにそのまま
暮らそうと思ってる人もいるし なんだったら
シリアからこれからトルコに行こう
なんて思ってる人もいるかもしれないけども
あまりにも多いですよね 300万人いっ
てますから なのでシリア難民に対する周辺
諸国の扱いというのも 今かなり厳しく
なり始めてるとも言われてるんですね なので
このシリアの人々の平和であるとか安息
であるというのは これからも国際社会で
見守っていかないとですね いつ何時 新た
なる独裁者を生むとも限らない状況
であるということは間違いないわけです
なのでここから 人道的な状態にないくの
かどうかも含めて さらにはロシアや
イスラエルの状況が今こういう風に連携して
飛び火している これが最も恐ろしいこと
ですよね 我々的にはこれってもしかして
第3次世界大戦になっちゃうんじゃないのか
なんていう それは極端な話ですけれども
そういった小さな戦争が連携してチーム
分けになって起こっていったのが第1次や
第2次の世界大戦なわけですから 常にですね
国際においてこれがまた 戦争が戦争を
呼んでいくんじゃないのか という経緯が
しっかりと頭に入っていればですね これは
中東の遠い国の出来事ではないと思って
しっかりと勉強していこうと思う そういった
日本人の姿勢も大事になってくると思う
んですよね 中東で起きてることが中東の
ことだけじゃないんだよ それはイスラエルや
アメリカも関わってるし ロシアやイランも
関わってる その根底にはロシアや
アメリカ そういった日本ともかなり関わりのある
国同士の争いでもあるわけですから
いつどこの国がどういった形で巻き込ま
れるかわからない 常にあの国もこの国も
日本の未来かもしれないと思って見ていか
なければならないというわけでございます
というわけで シリア アサド政権の崩壊 これは
決して遠い国の 対岸の火事ではない
しっかりと学んで見守っていこう
そういった話でございました
ではまた