どうも中田敦彦です さあ今日も早速参りましょう
エクストリーム サイエンス
フェルマーの最終定理編
超面白い ありがとうございます
さあやってまいりました フェルマーの最終定理
お 中田理系をやってみるのかという
ここなんですよね 普通だったら数学とか
まあ僕ね ちょっと説明を面白くやるの難しいよと
数式びっしりはこれさすがに
エクストリーム無理ですということで
諦めてたんですが とんでもない本があったん
ですよ それがサイモン・シンという方が書いた
フェルマーの最終定理が解けるまでの
ヒストリーを書いた本なんですね これ
2000年に発売されたんですけど 今でも
歴史的名著として売れている本なんですね
この本まあまあ ちょっと見てみようかな
と思って私ねパッパッパって
眺めたんですけども 数ページ眺めただけでね
面白いってびっくりしました この本は
おもろいぞと サイエンスの
ドキュメンタリー的な本であるにも関わらず
まるでとんでもないミステリーを読んだ
かのような めちゃくちゃ面白いお話に
仕上がってたんですね で読んでみてまず
この本が面白いと同時にフェルマーの最終定理が
人類とどのように戦ってきたというかね
人類がこのフェルマーの最終定理と
どうやって戦ってきたか この歴史が
むちゃくちゃ面白いんですよ なので
今回 数学嫌いだよっていうあなたが数学が
好きになる それぐらい面白いストーリーを
お伝えしたい ヒストリーをお伝えしたいと
思っております なので細かいところ
もしかしたらミスとかもあるかもしれません
けれども そんなに面白いの数学って
何 ちょっと調べてみようかな そう思うような
ストーリーの粋を集めたのがこの
フェルマーの最終定理なので ご説明させて
ください まずフェルマーの最終定理
なんか聞いたことある これなんと300年間も
人類を翻弄した難問なんですね
300年間ですよ もうね10年に1人の天才
みたいなね人がいるとして そんなのが
もう何連敗もしてですね 死屍累々を
築いて分かりませんと この世代最高の
天才というのが解けない解けないの連続で
積み上がっていったのがこの300年間
そのフェルマーの最終定理 まずその定理って
どんなの?なんて聞くのはまだ早い 聞いたら
え何それ 意味わかんないってなっちゃうから
まず歴史を説明させて欲しいのよ この
フェルマーの最終定理というものは ことの
発端はピタゴラスなんです ことの発端
ピタゴラス 古代ギリシなんですよ 相当昔
このピタゴラスの定理っていうのは皆さん
教科書で習ったことあるよね 直角三角形の
3cm×4cmならここは5cmでおなじみの
あのx²+y²=z² え そんな都合の
いいことありますか? そうなんです
全部においてx²+y²=z²になるんです
という これを満たす
そういう直角三角形 3 4 5 そういう数字が
あるよと 3の二乗は9でしょ 4の二乗は16でしょ
5の二乗は25 9+16は25
でこういう 3 4 5
みたいな組み合わせ 綺麗だよね 美しいよね
そういう組み合わせの数はいっぱいあるんだよ
という 『美しい何これ』でおなじみ
ピタゴラス この美しさっていうのはその
当時衝撃的だったんですよ あのピタゴラスって
実はただの数学者じゃなくて ある宗教の
教祖だったんですよ 教団ピタゴラス
ピタゴラス教団っていうの持っていて
あまりにも頭がいいから もう教祖になって
たんですね それでこのピタゴラス教団って
いうのはすごくてめっちゃ面白いです
このピタゴラスだけの説明でも もう1時間やれ
ちゃうぐらい面白いんだけど ピタゴラスは
この世は美しい数でできている
っていうのが教義だったんですよ
その中でも最大の発見がx²+y²=z²
こんなものをピタゴラス教団が発見したもんだ
から もうピタゴラスの名声は止まることを
知らないよね そんな中でそのピタゴラスって
最終的にとんでもない死に方するのね
というのもその教団のその最大の
ロマンであるところの美しい数しかない
っていうのは整数しかないっていう
まだそれぐらいのことだったの だから
√2みたいなのって 1.41421356みたいな
1.4なんとかかんとかってわーって続くでしょ
1とか2みたいな整数と違うじゃない
これを弟子が1回発見しちゃうんですよ
えちょっと待ってくださいと
この1と1の直角三角形の斜めになったここ
まさにこのピタゴラスの定理で
してみたら えここ斜線√2じゃないすかと
だって1²+1²=2でしょ じゃ2に
なるものって何の2乗なの?ってとだよね
それが√2なんだよっていうね 平方根って
いう √2って整数じゃないんですけどってのを
発見してですね その弟子をですね
処刑しろっつって溺死させるっていう
とんでもない教団になっちゃったんですね
だからピタゴラス教団ってものすごい人類の
叡智を生んだけれども 闇も生んだんですよ
ピタゴラスが整数が美しい 美しい世界だって
言ったことによって この平方根とか
いわゆる無理数って言われるものの発見は
遅れるっていう 良い面と悪い面があった
んですね そんなピタゴラスのx²+y²=z²
この美しい数式というのは古代ギリシャの
後半の方の 古代ギリシャ最後の天才
と言われたディオファントスっていう
人がそういう算術って計算問題を
たくさん集めた本を出してたの すごい本
を出してた これなんとすごすぎて13巻
あるのよ 全13巻のうち これがその当時
最も発達してたビザンツ帝国
ありますね あのトルコとかの上の方のね
コンスタンティノープルとかヨーロッパと
中東の間にある あのビザンツ帝国
世界史でやりましたね あのビザンツ帝国が
ものすごい科学の先進国だったの
でそこに このディオファントスが
13巻置いてた その算術がオスマントルコの
侵略によって略奪されて そのうちの
7巻が葬り去られて 6巻だけを
持ってヨーロッパに逃げて
その6巻がその算術というすごい天才の
残した問題たちっていうのがあった
わけですよ でこの6巻の中に この
ピタゴラスの定義もちゃんと入れられてた
入ってたんですよ そして古代ギリシャから
時は飛びます 17世紀フランス そこに1人の
天才がいたんですね その名をフェルマー
と言います このフェルマー そう
フェルマーの最終定理の名の元になってる人ですよね
そうなんです このフェルマーがめっちゃ
おもしろいんですよ このフェルマーはなんと
数学者じゃないんです プロじゃないの なんと実はね
17世紀フランスの裁判官なんですよ
17世紀フランスの裁判官めちゃめちゃ
厳しくて 私生活あんまり友達と遊ばないで
くださいっていう自粛を求められて 今でも
僕もね同級生に裁判官がいて 裁判官の
人ってなんか普通に夜飲み歩くとか
あんまり奨励されてないんだって なんでかって
言うと そこで後に裁判になるような被告に
会ったりとか 弁護士とかと連んじゃうと
要するに感情が入り込むから
感情入り込んだら正式な裁判できない
でしょっていうことで かなり粛々と
1人で暮らすっていう それがすごい厳しかったの
この頃 ただ裁判官になるぐらいだから
めっちゃ頭いいんですね このフェルマーの
趣味が数学だったんです 裁判官として
静かな暮らししろって言われてる間 めっちゃ
数学をやってたんですよ 趣味なんだよね
ただこのフェルマー
趣味の域を超えちゃってるんですよ
あまりにもすごすぎて その当時の
数学者がまだ見つけてないものとかを
見つけちゃったりするの 現にパスカルって
いう数学者と組んで確率論 確率ってすごい
ギャンブルとか予想とかで使うでしょ
確率論とかの基礎を作ったりしたのも
このフェルマーなんですよ だからプロの
数学者じゃないのに偉大な発見をしたという
そのスーパーアマチュア天才野郎だった
んですよ 本業裁判官っていう しかも
これスーパーマンに見えるでしょ でも1個
欠点があったの 性格がねじ曲がってたの
このフェルマーっていうのは なんとですね
アマチュアだけどお前らプロの数学者より
俺の方が頭いいぞっていうのを
見せつけるのが趣味だったんですよ
どういうことをしたかというと 自分で問題
を作って その答えを用意し それをですね
数学者に送りつけるんですよ これできる
か?って 素人からの挑戦ですよね そして
それを数学者ができませんって言うのを
めちゃめちゃ楽しむってやつだったんですよ
「ははは」つってね 「フェルマーの問題は
解けまい」っていう そういうやつなんですね
でこのフェルマーていうのはもう単純に趣味で
数学をやってるから 論文書いてなんか発表して
みんなに教えて なんていうこと考えも
しないんですね そのフェルマーが手に
入れたのがディオファントスの算術だったん
ですよ 面白そうじゃないかと この
天才フェルマーがこのディオファントスの算術
遊ぶように解いてやろうということで
バンバン解いてたんですよ でこの
フェルマーの趣味はこのディオファントスの
算術に書いてある問題を解き終わったら
それよりちょっと難しいもを考えて自分で
解いてみる これが趣味だったんですよ
すごいよね そんな受験生いる?なんか自分でさ
問題集解いて 「簡単だな もうちょっと
難しい問題はこれ どう?」やらないよね
解いて終わるじゃん 解いて作って解いてその上で
満足するっていう 本当に天才の変態です
もう変態的天才 そのフェルマーが
この算術にでめちゃめちゃ書き込む
わけですよ この6巻にびっしり書くわけですね
でこの問題の上級問題がこれ でそれに
対する答えは うーんまこんな感じ だけど
全部は書いたり書かなかったりしてた
そんな中でフェルマーが出会ったのが この
ピタゴラスの定理だったんですよ 美しいじゃないか
そう この人間を惑わし そして人間に
全ての叡智を与えた根源的美しい数式 x²+y²=z²
皆さんも習いましたよね 覚えましたね
あなるほどなぁで皆さん終わったと思います
違うんです フェルマーは超天才ですから
これを見た後にある数式を作りたくなったんですね
じゃ上級編作っちゃおっか
ピタゴラスバージョン2.0だって言って
xⁿ+yⁿ=zⁿ
バージョンアップですね x+y=z
これが別に2乗じゃなくて1乗の場合は
その組み合わせいっぱいあるよね 1+2=3
はい2+3=5 それもう無限にある でも
2乗になるとそれは少なくなるよね
全部が全部この組み合わせじゃなから
少なくなるね じゃあ x³+y³=z³になったら
これ何パターンあるんだろう?こう思ったわけ
この発想がまず天才なんですよ
これ何パターンだろう?難しいバージョンになったら
ってなった時にですね
あれ?なかなか無いな いや待てよ
これ無いぞってなったんです なんとx²+y²=z²
の場合は これ無限にあるってことは証明さ
れてるんですね ところがそれを3にした
だけで 1個も無いということが明らかに
なってきたんです 3で無い じゃ4ならどうだ?
5ならどうだ? 6ならどうだ? いや違う
2より大きいnに関しては1個もない
これがフェルマーの書き込みだったんですよ
1個もありません
でそれを証明しないと これは定理になら
ないんですよ だけどフェルマーはそこに
書いてあるんです これに対する証明が
驚くべき方法で考えついたのだが
それを書くには この余白は狭すぎる
次のページに行ってるんですよ
どういうこと?嘘じゃない?
と思うかもしれないですけど
フェルマーはご存じの通り いろんな
やつにそういう遊びを仕掛けてきて
やっぱり解をちゃんと持ってきてた男なん
ですよ 嘘で俺は解いたなんていう男じゃ
ないんですよ 何度も何度もそういうやつを
仕掛けて 俺知ってるよってやって
知ってるっていう 実際に解いてたっていう
確率論とかも作ったっていう もうだから
実績もあるようなやつが書いてるんですよ
浮かんでる 考えてるけどこれ
余白狭すぎるわって言って ペラ
そしてそれをですね なんと誰にも発表せずに
死ぬんですね つまりクロスワードパズル
で遊んでメモ書きしてたのを大量に残して
死んだやつみたいな このフェルマーの
息子がそれを発見するんです 親父が死んだ後
ディオファントスの算術に異常な量の
書き込みがあることを見つけ その中には
価値のある書き込みがあるっていうことを
息子は気づくんですね え?これまだ世に
発表されてないやつじゃない?
この問題すごいやつじゃない?
親父 生前からすごかったけど もっと宝を
残して死んでたのか なんと息子はね数年かけて
それを解読し これには価値があると
言った上で 出版にこぎつけるんです
なんとディオファントスの算術に天才フェルマーが
問題を書き込んだものが出版されるんです
すごくない? 痕跡本がむちゃくちゃ
発売さるんですよ その人のメモ書きが
入ったものが でその中になんといくつもの
難問が含まれたんですね フェルマーの難問たち
っていうのが余白にめちゃくちゃ書かれてたの
でそプロの数学者がなんじゃこりゃーって
言ってですね解き始めるんですよ
うわーって フェルマーに立ち向かえと言って
たった1人の素人 裁判官 天才的変態が
残した余白に向かって全プロが立ち向かうん
ですよ うわーって そして1問ずつ解かれて
いくんですね よしフェルマーのメモ書きの
余白1クリア バーン 余白2バーン クリア
よっしゃフェルマーなめんなよつって それで
バンバン問題が解かれてって俺たち
プロは強いんだって言ってどんどん
どんどんその余白の問題が解かれていった
最後に残った問題 それがこれだったんです
解けない だからプロが余白に書かれた
算術の中の遊びで作られたフェルマーの
問題の中で最後まで解けなかったから
フェルマーの最終定理なんです 何が最終なのかって
フェルマーが残したダイイング
メッセージの中で解けなかった最終問題って
ことなんですよ でこれはもちろん定理って
いうのは証明がされているものを言うんですよ
だから正確には定理じゃないんです
証明されてないけど 何回それを試しても
ほとんど そういうことになる
x³+y³=z³ なんか当てはめても
うまくいかないと だからそうなんだろう
これは定理じゃなくて予想って言われるんですよ
なんとか予想ってのは数学上の用語で
まだ正式に証明されてないけど
ほとんど正しいだろうと言われている
公式のこと言うんです だから正式には
フェルマーの予想なんですよ これは だけど
フェルマーは証明したって書き残して
死んでるんです 正式にはお前らがやって
みろって言って その後300年の間 人類の叡智を
苦しめるっていうスタートなんですよ
だから数学版ワンピースですよね
そのとんでもない偉大な海賊が ここに
巨大な一繋がりの財宝を残した それが
ワンピースだと それに辿り着いた者には
全部くれてやると さあ辿り着いてみろって
全員がうわーって航海に出る これが
ワンピースですよね さあこれ 俺は証明したぜ
お前ら証明してみろよと言って死んだ
フェルマーという男に立ち向かう数学者たちの
300年間に渡る物語なんですよ
これむちゃくちゃ面白いの 嘘やんと こんな
シンプルな問題 だってさ普通に難問
て言われたら びっしり数字書かれてそう
でしょ なんか文字と知らない記号と
じゃないんですよ だって俺たちが全員知ってる
ピタゴラスを1個バージョンアップさせただけの
誰にでも説明できるこの式
だからみんな素人でもやろうと思えば参加
できるんですよ ないかな?あるかな?とかね
これどうやって証明するのかな?とかやるわけ
それができないんですよ うわーできない これ
何どういうこと 嘘だろ フェルマーは
嘘ついてたんじゃない? ところがですね
それを一歩進める天才が現れるんです さあ1753年
18世紀ですね もうすでにこれね100年近く
時が経ってですね 超天才オイラーってのが
現るんですね このオイラーってやつは
すごいんですよ もうとんでもない天才な
んですね これねオイラーをにを知ってる人は
誰しもがオイラーをこう言うんだって
人が呼吸をするように計算をし
鳥が空を浮かぶように計算をする
とんでもない量の計算が もう全く苦じゃなく
暗算でできてしまうという 天才が生まれ
たんです それがオイラーだったんですよ
このオイラーっていうのは親父が
牧師さんで オイラーのことも牧師に
しようと思ったんですね ところがこの
オイラーの才能に気づいた数学サラブレッド一家が
あいつはうちの一家を超える天才だ
って言って オイラーを
牧師しないでくれと 私たちが教えるから
オイラーに数学をさせてくれって言ってですね
数学を学ばせたんですね するともう
オイラーは才能絶賛開花させてですね
数を浴びれば浴びるほど正解を出すという
もうとんでもない力を発揮するんですね
でこの時にはオイラーは
いろんな難問を解決するという
難問解決屋になってました というのも
このフェルマーの頃までは数学ってなんか
意味ない遊びでしょって思われたんですよ
どっちかって言うと物理とか化学の方が
生活に役立つでしょ 今だって数学って
何の役に立つの?って言われたりするんですよ
でその頃はまだ理解が深まってないから
それぐらいのことだった でも数学を
実際に役立つよって証明したのが
ニュートンなんですよ このフェルマーと
オイラーの間にアイザック・ニュートンという
天才が現れて そいつが数学の世界から
物理の世界に応用して それを色んな
ものの計算に使えるよっていう風に
したことで 色んな権力者たちが
数学の進歩が科学の進歩なるんや 数学って
科学の進歩の基礎なんだっていうことが
明らかになったの この辺りで その辺りから
数学者に対して これはできるか これは
できるかっていうオーダーが入るように
なったんです オイラーはその天才性を発揮して
いろんな難問を権力者から受けては解決
するっていう難問解決屋になってたんですね
こういう場合はどうすればいい? こういう
場合はどうすればいい?数学的に解決でき
ないか? うーんできますっていう 一休さん的な
スーパー一休さん的な状態だったんです
このオイラーがすごいのは盲目の天才って
ことなんですよ ええって これどう
して盲目かていうと 後から盲目に
なったんですね その片目がまず見えなくな
なる時期があったんですね 緑内症か
白内症か目の病気で片目が見えなくなる
普通だったらね とんでもない喪失感が
あると思うんです でもオイラーもそう
だったのかもしれないですけど 片目が見え
なくなったオイラーが言った言葉がですね
「これでまた計算に集中できるな」って言った
らしいんですよ すごいんすよ その上で
もう1つの目も見えなくなるっていうことが
明らかになるんですね しばらくたって
うわぁオイラーの目が だって計算式書けないんだよ
文字書けないんだよ 論文書けないんだよ
目が見えなくなったら オイラーはもう1つの
目が見えなくなるって言っ言われた瞬間に
字を書くことだけ手に覚えさせたんですね
うわーって そしたらまず文字を書けるから
でも両方の目が見えなくなって
しばらくすると やはり字が荒れて
くるんですね でもう誰も読めないような
判別不能の字になる ああもう計算もでき
ないし 論文もかけない オイラーは終わったかと
思いきやですよ オイラーは 今まで
読んだ本の全てを記憶してるっていう
とんでもない能力と全ての計算を暗算で
できるっていうとんでもない能力を
発揮して 盲目になってから 月の動きの計算
を当てるんですね すごいんですよ すごい
天才なんですよ そんなオイラーが
フェルマーの最終定理に挑むんですね
すごくないですか そのオイラーが
フェルマーの最終定理に挑んだ その時に
発見したことあるんです まだそれは
目が見えてる頃だったんですね どうした
ものかなと思って このフェルマの書き込み
のある算術を くまなく読んだら なんと
フェルマーはこれを実際に証明してたであおうと
いう痕跡を見つけるんです それは
なんと このnが4の場合つまり
x⁴+y⁴=z⁴ が存在しないよって
いう組み合わせ この組み合わせは存在しないよ
っていうものを軽く証明して 他の問題の
証明の中にそれが混ざってたんですよ
他の問題の証明の中に x⁴+y⁴=z⁴ については
〇〇という理由で存在しないので
〇〇で〇〇で・・・って言って
うわ途中書いてるっていうのを
オイラーは発見するんですよ ここって
ちょっと雑に書かれたんですけど
それをちゃんとやると
n=4の時はないっていうことが明らかになる
んです その時使ってた手法を元に
オイラーはn=3の場合もないということ
だけは証明できるんです あのオイラーを
しても そこまでしか進まなかったんですよ
ドーン 3の時はない これだけが分かったんですね
なぜなら4の時ないってこっそり書いてたから
それを元にして作ったらこれができました
そしてオイラーは死ぬんですね
その18世紀最大の天才と言われた
オイラーがそこまでだった そしてそれを
さらに一歩進めたのが なんと女性だったん
ですね これ驚くべきことは女性である
っていうことなんですけど なんでかと
いうと この当時やっぱりまだジェンダーに
対する差別って大きかったんですね
今以上に なので女性が数学を
勉強するっていうことを全く社会が
容認しなかった時代があるんですよ 男性の
中でも学問 学問の中でも数学っていうのは
かなりマニアックな勉強 それを女性がやったって
何にも役立たないし やるべきじゃない 女性に
数学は分からないなんていう風な言われ方を
していた時代に このソフィー・ジェルマン
ていう人は数学に目覚めるんですね
なんで目覚めたかというと
まず頭がすごい良かったんですけど
その上でね 数学史っていう歴史の本を
読むんですね するとアルキメデスという
天才に出会うんです そのアルキメデスってのは
このピタゴラスよりも前の 最初の最初の
数学天才と言われているアルキメデス
このアルキメデスの歴史だけでも面白いんですよ
アルキメデスっていうのは もう
あまりにも色んなものを発明したから
国から 防御の装置を作ってくれって
言われるんですね 彼が居たのがシラクサ
という小さい島なんですよ その小さい島を守るために
「天才アルキメデスよ お前のその頭脳で
大国が攻めてきても大丈夫な装備を作ってくれ」
と言ってアルキメデスの装置
というのを島中に囲むように作るんですよ
それはいわゆるまだ投石器っていうのが
カゴに乗せて引っ張って
縄切ってボーンて投げるみたいな時代に
いわゆるピッチングマシンみたいなのを
作ってるんですよ 要するに石の大きさを
揃えて高速で車輪を回転させて
そこに流し込むと ピッチングマシンでそう
でしょ ボールが流し込んできたら高速の
ローラーの上に回ってビュンて飛ぶ
でしょ あれを考えてたんですよ
高速ローラーをみんなで下で回して ブーンて
巨大なローラーを回して そこに大きさを
揃えた丸石をザー流れ込む流れ込ませると
向こうに向かってマシンガンの如く
弾丸が発射されるという恐ろしい
武器を作ったんです ところが
そのアルキメデスっていうのは その装置を
作った頃はまだ攻められなかったから ずっと
放置されたんですね だけどある日
アルキメデスが天才というまま老人になって
よぼよぼになった頃にローマから
大軍が攻めてくるんですね そして
もうローマが攻めてきたらもうおしまいや
俺たちの島もおしまいやーってなった時に
「ちょっと待て うちの島にあれあるだろ
何十年か前にあの天才アルキメデスに作らせた
アルキメデスの装置を出せ」
って言っていきなり稼働するんです
ガンカシャンっつってね 何十年の時を経て
何十年前に天才が作った装置が火を吹くんですね
アルキメデス天才 みたいになるんですけど
結局内輪から裏切りが出て
装備の弱いところを攻められて
敵軍にが流れ込むんですね そしたら
ローマ兵がアルキメデスを見つけて「お前が
アルキメデスか?」みたいなこと言うわけですよ
というのもアルキメデスはあまりにも天才
だから殺すなって言われたんですね
殺すなって言われたんですけど その兵士は
ですね「おいくそじじぃ」といって豪邸に入る
わけですよ すると中庭に砂に向かって
図形を描いて計算してるじじぃがいるんですね
それがアルキメデスなんですよ 計算してた
んですね うーんとか言ってね そしたら
兵士が流れ込んできて 「おいじじぃお前が
アルキメデスか?」って言うわけですね
するとその兵士の1人がその砂の図形を
踏んじゃったんですね
デリカシー無いから すると「図形を踏むな
計算の途中でしょうが」つってバーンって
突き飛ばすんですね それを「なんだじじぃ」
といって刺されて殺されちゃうんですよ
そういう死に際だった これ伝説なので実際は
どうかっての分からないんですけど なんと
死ぬ間際まで計算に夢中になってて
兵士に殺されるっていう天才アルキメデスの
死っていうのがあるんですね その伝記を読んで
このソフィー・ジェルマンは え待ってと
死ぬかもしれないっていうタイミングでも
まだそんな夢中になるものって最高に
面白いんじゃない?って言って 数学って
最高なのかも に気づいて数学に熱中するんですね
で親父とかお袋は ソフィーが
なんか数学に目覚ちゃったらしいのよ
とかっ言って なんだととか言って
そんなのは女子がやることじゃないんだ
とか言ってですね 夜に数学の勉強させない
ためにローソクを全部奪うと そういう
やり方するんですね でもソフィは上手で
ローソクを奪われてもいいローソクと
隠しとくローソクがあってですね
やっぱり夜勉強してたっていう すごい
やつなんですよ でそのソフィー・ジェルマン
大人になって学校に行くわけですね
だけど学校もやっぱり女子は
受けつけないだろうということで なんと
その数学の専門学校を辞めた男性の学籍を
無理やり盗用して偽名で受けるっていう
もう根性がすごいんですよ
偽名で受けると そん中でもあまりにも
優秀だったために 偽名で受けてたんだけど
テストの点数がもう最高に良くて 出してきた答えが
もうあまりにも斬新 だからこいつは誰だ
っていって呼べってなって呼んだら女だった
そこでバレるっていう もうドラマみたいな
天才女性がいるんですね でその後
さらなる天才 ドイツの天才数学者ガウスっ
てやつと文通するんですけど その文通も
男性の偽名でやるんですね ところが
ナポレオンがそのガウスのいるドイツを攻めた
時にガウス先生死んじゃう ガウスってのは
数学の王様っていうぐらい天才って言われて
たんですね そのガウスが死んじゃうという
ことでフランスからガウスを保護するように
尽力したのソフィー・ジェルマンなんですね
で保護されたガウスが
フランスなのに何で助けてくれるんだ?と
いや実はソフィー・ジェルマンさんに
お願いされてて言って 誰だそれは
これ偽名だからガウスは知らないんですね
そこでソフィー・ジェルマンが私実は偽名
使ってました 女なんですって言って
すごいな君って言ってそのソフィー・ジェルマンが
ついにフェルマーに立ち向かうんですね
すごいでしょ このチャレンジャーたちの
エピソードが1個1個かっこいいんですよ
そのオイラーが立ち向かうとかね 盲目で月を
計算したオイラーが立ち向かうとかね
偽名でガウスを王様ガウスを唸らせたその
ソフィー・ジェルマンが立ち向かうんだよ
そしてそのソフィージェルマンが突き進んだのが
3とか4じゃなくて まとめて他のグループ別に
できないかみたいな 素数ならどうだとか
色々やるんですね その功績を元に
それを受けて 後にnが5の場合はない
そしてnが7の場合はないということを
発見する学者が現れてきます
このオイラーをしても ソフィー・ジェルマン
をしても nが3の場合 5の場合 7の場合は
無いと証明できましたに止まったというのが
ここまでのお話なんですね そしてついに
第2次世界対戦が起きます ここまで
全く進歩はありませんでした もちろん機械
の進歩あったんですね コンピューターの
存在です はいコンピューターが出現するん
ですね によって計算が圧倒的に早くなるんです
なので今までの手法で じゃあnが5は無い
7は無い なんとかは無い なんとかは無い
なんとかは無い なんとかは無いっていうのは
どんどん どんどん 桁数は上がってくるんですが
しかしそれは証明とは言わないんですね
この完全な証明というのは
全てのnにおいて 2より大きい全てのnにおいて
これが無いということを完全に証明
しなければ フェルマーに勝ったことには
ならないってことなんですよ でこの頃には
数学者たちは もうフェルマーの
最終定理なんてやってもしょうがなくない
って言うようになっていたそうなんです
というのもこういう基礎的な数字の問題を
数学のジャンルの中で数論って
呼ぶらしくて 数論は要するに
実用化までが1番遠いんですよ 基礎の
基礎だから それが一体何の役に立つかって
のは見えづらいんですね なので
速度を計算するとか 軌道を計算するとか
重量とか強さとか そういうものの方が
戦争とか産業に使いやすいでしょ
そういうものばっかりを数学者はやるようになって
ここまで基礎的で あまりにも時間のかかる
あのオイラーでもダメだった
ソフィー・ジェルマンでもダメだったものは
無理だろうって言って やらなくなり始めた
そんな中 全然違う角度からこの物語は動き
出すって話なんですよ コンピューターでも
ダメだった そんな中1955年 なんと舞台は
日本なんですよ 日本がここでっていうね
谷山豊 志村五郎という若き数学者が
非常に奇妙な思いつきをするんですね
この谷山と志村は仲が良くて お互いに
明日の日本の数学を変えようって
言ってたわけですよね 特に谷山は天才タイプ
ぼーっとしてるんだが 何かふっと思いつく
ものがある 志村は理詰めで考えていくタイプ
このコンビが非常に良かったんですね
この谷山がある時 1955年
ふっと「こういう事があると思う」
って言い出すんですね
それがなんと楕円方程式とモジュラーは
同じことなんじゃないかっていう理論です
それ今言われてですね皆さんが
えごめんなさい 何ですか?ってなったと
思います 急に突き放さないでって
思うんですけど これに関しては理解する必要は
ないです 僕自身も本を読んでも もう
わかんないです 楕円に関しての計算に便利
だった方程式の計算の仕方があるらしいん
ですよ その計算のジャンルっていうのが
楕円方程式のジャンルで これは
ディオファントスの時代から算術にも
載ってたんですね ゆったり1個のその数学の
ジャンルだと思ってください で全く別の
ジャンル モジュラーっていうジャンルが
あったんですよ これ結構マイナーで
ちょっとまあニッチな すごいマイナーで
高度なモジュラーっていうジャンルが
あったんです だから幾何学とか
数論みたいな感じで 楕円方程式って
いうジャンルとモジュラーって
ジャンルは別々に研究されてたんですよ
ところがそれが全く同じことを説明してる
んじゃないか もしくは全く同じことというか
かなり一致してるんじゃないっていう
こと言ったんです これどういうことかと
言いますと イメージで言うと電力と磁力です
電気の電力と磁石の磁力って全く別の
エネルギーだって思われてました でも今って
電磁力っていう言葉になってきてますよね
要するに磁場が電気を発生させ
るっていうことで 磁力と電気は密接に
関わりのある1つの自然現象だったんだと
だからそれを利用して要するにリニア
モーターカーみたいなね そういう技術が
生まれてくる その電磁石とかそういうのが
生まれたのも要するに
電力と磁力ってのが1つの
同じ現象についての2つの学問からのアプローチ
だったんだっていう そこが繋がるってのは
めっちゃ画期的なことなんですよ
このジャンルとジャンルが繋がるんじゃないか
っていう あまりにも画期的な発想をしたのが
この谷山豊っていう人なんですね
ただこの谷山豊が発表した頃 あまりにも
斬新すぎて 何言ってんだこいつって
なったらしいんですよ そうなの?みたいな
いやなんかすごいけど思いつきじゃない?と
この志村はですね 谷山のこと信頼してたので
これ絶対そうだと 俺が助けるからって言って
この谷山-志村予想となった これ予想だよね
だからね 証明されてないから
でも明らかに1個のパターン当てはまるね
これも当てはまるね これも当てはまるね
ってなって えじゃあ本当なの?
いやでも証明してくれないと じゃ俺がちゃんと
積み上げるからと言って志村がちゃんと
積み上げてたんですね そんな中 志村が
外国の大学に呼ばれて そこで教鞭を取る
ことになったんですね で放置された谷山が
なんと自殺してしまうんですよ えーここでと
志村からしても もうア然として
なんでだ谷山と これがね遺書も残ってるん
ですけど 理由は特にないっていうんですよ
ただ将来について不安になった 不思議なの
は谷山はその直前に婚約までしてるんですよ
婚約までしてるのに自殺しちゃうんです
でその婚約者はどうしたかというと
後を追うように自殺しちゃうんですよ
なんだこれと おい谷山これを証明するんじゃ
なかったのかと そしてその外国から戻って
きたら一緒にやろうぜって言ってたのに
俺どうすんだよと 谷山-志村予想というのは
そこから西洋に持ってかれて 証明はされて
ないんだけど かなりの確率で真実だろうと
いうことが明らかになってきたので 谷山-志村予想が
正しければこの理論も正しいっていう
研究がたくさん現れたんですよ
それを元に だけどそれが証明されないうちは
それもゴールできないっていう理論が
たくさん増えた それぐらい谷山-志村予想には
期待がかかってたんですね でもこれって
フェルマーと関係なくない? そうなんですよ
関係ないじゃん 誰もが関係ないと思ってたんです
ところが1984年 それから30年後に
ゲオハルト=フライという人がとんでもない事を
言い出したんですよ それが谷山-志村予想が
正しければフェルマーの最終定理も正しい
ということが証明されるという
異次元の接合を見せたんですね えーと
ちょ待って待って 楕円方程式とフェルマー
の最終定は関係なくない いやちょっと待って
くださいと言ってこのゲオハルト=フライがですね
フェルマーの最終定理の式をこのように書き直しますと
影響のない形でこうやって書き直すと
楕円方程式の形に酷似するんですと
これが成立しないと これも成立しないことに
なります つまりこちらが成立すれば
これは成立するんです 谷山-志村予想が
成立しないのであれば フェルマーは成立しない
だとすれば谷山-志村予想が成立するのであれば
成立する これを数学の理法で背理法って言うんですね
要するに〇〇じゃないなら△△じゃない
だとしたらこれが〇〇なら これが△△っていう
やり方があるらしいんですけど
強力なやり方らしいんですよ
それで全く関係のなかったこの
谷山-志村予想とフェルマーの最終定理を
結びつけるっていう 異次元の だってここも
ドッキングでしょ 楕円方程式とモジュラーっていう
ジャンルが実は一緒なんだーが
うわー だったのにそれが証明されたら
フェルマーの最終定理が説明できるんだ
うわー この2大トリッキーな進化によって
もしかしたら行けるかもと言って
立ち上がった最後の天才が
アンドリュー・ワイルズなんです
このアンドリュー・ワイルズってのは
めっちゃくちゃ面白いんですよ
このアンドリュー・ワイルズは なんと
10歳の時に図書館でこのフェルマーの最終定理に
出会うんですね で見て ん?と言って
ピタゴラスの定理か うんこれはもう僕は
本で読んだな はいはいはい なんだ
フェルマーの最終定理 xⁿ+yⁿ=zⁿ
2よりも大きいnの場合の この組み合わせは
無い ふーん無いか という問題か
面白いな これ答えはどうなってるんだろう
パラ
『この答えはまだ数百年間人類は
見つけられていない』 ドーン その時ですね
「これを解くのは僕だ」と思ったらしいんですよ
10歳ですよ 10歳でこのこの答えを
人類は数百年見つけられてないって見た
瞬間に「これを解くのは僕だ」って確信して
それからなんとフェルマーの最終定理を
解くためだけに生きてきたっていう
少年が来るんですね ついに ついに
天才の中の天才 アンドリュー・ワイルズが
動き出すんです そして1986年ね大学に
入ってもフェルマーの最終定理をやりたい
なんていう もう若い天才はいなかったって
いう時代にアンドリュー・ワイルズは自分の
上司となる 師匠となる教授に
「いつかフェルマーの最終定理をやりたいと
思ってます」って言うわけですね
「いや君それをやるのか あれに飲み込まれて
数学のキャリアを棒に振った若者たちは
枚挙に遑がないんだぞ 何十年やっても
何の結果も得られずに終わるという数学者殺し
なんだあれは 魂を飲み込んできた悪魔の
方程式だ 君はそれに挑むのか?
数学者としての堅実な成功を捨てて」
「私はそのために ここまで来たんです」すごいやつだ
ワイルズすごい 「分かった じゃあとりあえず
まずはフェルマーの最終定理に至る前に
これを勉強してきなさい」と言って勉強してたのが
なんと楕円方程式だったんです 偶然にも
この楕円方程式はフェルマーもお気に入りの
やり方だったんですね なぜなら
ディオファントスの算術でかなり分厚めに
ここの理論が書いてあるから だからこの
師匠もフェルマーの最終定理に行くには
楕円方程式が鍵になるかもしれないから
やっときなさいと何の気なしに進めたんです
ところがある時 その研究を
進めてたワイルズのところにニュースが
来るんですね 谷山-志村予想がフェルマーの
最終定理の鍵になる ドーン あの楕円方程式と
モジュラーを結びつけているという谷山-志村予想
これすらも誰も解けてなかったんですね
それさえ でもフェルマーの最終定理よりは
解けるかもしれないと思われた あれ
自分の専門ジャンルでもある あれ それさえ
あれば自分の最後のボスが倒せる 自分が
磨いてた剣がラスボスを倒すために必要な
剣だった そしてワイルズはついに立ち上がります
「教授 私に研究をさせてください」
「なんだね」「フェルマーの最終定理に
挑みたいと思います」それが1986年のこと
だったんですね アンドリュー・ワイルズはもちろん
その時もうすでに教授になってたので講義の仕事
とかも色々あるんですよ 他にも研究会とか
ゼミとか色々ある だけどね その必要最低限の
業務以外の全ての時間を自宅に籠りきる
という作戦に出たんです これが
いかにすごいかと言うと 普通数学の
新しい理論の証明とか難しいから 途中ミス
してもだめでしょ だから何人かで共同で
研究するっていうのがトレンドだったんです
でチェックしながら何人かで証明しました
このチームの功績です こういう風にやるの
それをたった1人で家に籠る
変態の所業です ついに天才だけじゃなくて
変態的天才がもう1度現れたんですよ
変態的天才 これは僕の楽しみだから
そういうわけですね なんとアンドリュー・ワイルズは
自分1人で手柄を収めたいというのも
もちろんあったと思うんですが こんなに
楽しい仕事は誰にも渡したくない これは僕の
遊びなんだ だって10歳の頃からずっと
やってきた ずっとやりたかったゲームなん
だから そのために全ての理論を学んできたんだ
フェルマーの最終定理を解くためだけに
俺は生まれてきて 生きてきた さあ
ゲーム開始だ そう言って家に籠るんですね
で家に籠っちゃうと数学者としてね
あいつなんか最近こもってんな 怪しいなって
なって噂話をされるのも嫌だったらしいんですよ
どうしたか その後なんとですね
6年間家に籠るっていうとんでもない
変態ぶりを見せるんですけど その6年間
アンドリュー・ワイルズは1個も疑われなかっ
たんです 普段通りの仕事をしてるという方版を
崩さなかった なぜか もう天才ならではなん
ですけど 実はもう1986年に1個
そこそこ価値のある発見をした論文を
書いてたんですね ところがそれを発表して
わーって騒ぎになる すると次は次は?つぎは?って
言われるでしょ だからなんとそれを
何分割にもして ちょっとずつちょっとずつ
定期配信するっていう
デアゴスティーニみたいなね 組み立て式
みたいな 次はワイルズみたいな 次はこれだよ
なんつってね どんどん実験が進んでるね
この6年間でってみんなが言ってたんですけど
なんと6年前にもう答えまで出てたって
言うんですよ それを定期的に配信
することで 研究のノイズを減らすっていう
スーパー天才変態野郎だったんですよ
その間にいろんな理論をもう古今東西から
引っ掻き集めるんですね この
ガロア理論っていうのを1832年に
死んだ不遇の天才ガロアっていうのが発表
してた理論が使えるってことを見つけるんですね
このガロアってのめっちゃ面白いんですよ
もうねすごい天才だったけど くそ生意気で
もういろんな上層部にものすごく
圧力をかけられて潰されて
不遇の死を遂げるっていうガロアが
死ぬ間際に これだけは後世に繋いでおけって
言って もうぐちゃぐちゃに書いた理論
それが 使えるってなってですね
そんなことある?っていう そんな
ヒーローみたいな主人公みたいなやつが
吸収される脇として使われてくるんですね
さらに岩澤理論 ここも日本ですね
岩澤理論っていうのも新しいってなって
これ使えるんじゃないかって言ったんですけど
岩澤理論はちょっとこれ単体では
使えないなと言って1回放棄します
で悩んでた時 悩んでた時にもうだから数年
経ってますからね 一歩一歩進んでたんですけど
うーんと悩んでた時にコリヴァギン=フラッハ理論に
辿り着きます はいもう訳が分かりませんね
コリヴァギン=フラッハ理論っていうのは
コリヴァギン教授っていうのがまず
原案を考えて フラッハという数学者が
それをブラシュアップしたっていう理論です
新しい理論なんですよ 新式装備 これは
だから旧式装備ガロアvs新式装備コリヴァギン=フラッハ理論
これを見つけてこの新式装備を使えば
一歩進むぞということで計算を
始めようとするんですが このコリヴァギン
フラッハ理論 新式の理論で新式装備であるが故に
計算も複雑で大変なんです いよいよ
6年間潜伏した上で これを持って
トドメを指したいと思った時に 1人でやると
時間がかかるという壁にぶち当たりました
さあどうします 6年間篭って1人でやって
きました でもこのコリヴァギン=フラッハ理論を
使う最後の一歩は時間がかかるんです
1人手助けが欲しい しかしあいつ
フェルマーやってんぜ もうすぐ行けるぜって
いうのは絶対に口割られたくない たった
1人でいい
頭のいい協力者が欲しいということで
探したんですね すると同じ大学の信頼
できる同僚カッツという協力者を
得るんですね そしてある日
カッツのところに行くんですね
「どうしたんだワイルズ」
「話がある」
「ふー 谷山-志村予想 解けそうなんだ」
「えーっ」「手伝ってくれないか?」
「本当なのか ワイルズ」と ワイルズが
この大学で1番の天才だってことはみんな知ってる
わけですよ そのワイルズがなんだか
こそこそしてる雰囲気があった それが
いきなり静かに言ったんですね「谷山-志村予想が
証明できそうなんだ手伝ってくれないか」
「もちろん手伝うよ それはどういう
仕組みで今どこまで行ってるんだ」
でもそれを説明するにはあまりにも
時間が必要だったんですね だめだこれは複雑
すぎるから 君が今授業とかに使ってる
時間 学生の授業とかの時間を
なんとかそれに当てられないかって言って
なんとこのワイルズとカッツは
とんでもない方法にでるんです
それがなんと
このワイルズがこれまで組み立てた理論を
カッツに説明するためだけの授業っていうのを
開校するんです なので授業をしてるよ
っていう風に大学には見せるんですが
それは全部カッツにそれまでの経緯を発表
するっていう授業なんですよ ところがそれが
谷山-志村理論とかとフェルマーのための
道筋って言われずに始まってるから
学生は この教授何喋ってんのって
言うことが分からないんですよ なので
最初は受けに来てたワイルズの生徒たちが
ちょ分かんねえわ この先生ちょっと
おかしくなってるって言って1人減り2人減り
最後にまんまと 教えるワイルズの前には
カッツしか残らないっていう状態作るんですよ
で授業で「ふんふんふ昨日の続きは?」
とか言って もう超熱心な生徒が1人だけ
いるんですね そういう授業をやって
カッツにそれまでの情報を全部
教え込むんです そして分かったと
コリヴァギン=フラッハ理論 これの応用の計算
についての手伝をすればいいんだな
というところに至ります
「そうだとカッツやってくれって」
そこまで言って わーっと組み上げて
ついに1993年
イベントが開かれるんですね それは
新しい理論とかを発表するっていう
そういう形式だったんです でこの
ワイルズは3日間連続で講義をするという
それも新しい発見についての講義です
それが何なのかっていうのは誰も知らない
状態で始まるんですよ ところが
ワイルズが何かを仕掛けてきそうだという
噂がこのイベントの数日前に
ファーって噂が広がるんですよ ワイルズが
なんか ワイルズがなんか とんでもないこと
してるらしい うわあって盛り上がるんですね
どうやら谷山-志村予想に関わるものっぽい
その噂まで行くんですね
谷山-志村予想 あれを解くってことか
フェルマーをってことか
無理だろう とりあえず聞いてみよう
ざーっと集るんですね 客が固唾を吞む中で
1日目 ワイルズは普通に谷山-志村予想
に繋がるような授業するんですが
証明しきらないんですね で全員が
そこで受けてた全員がメールを飛ばすんですよ
「ワイルズの授業を受けた どうやら
谷山-志村予想の証明に繋がる1歩
第1歩を見つけた そういう内容になるっぽいぞ」
要するに完全に証明できないけど1歩進む
みたいな そういう授業っぽいと
それだけでも価値がありますから えすごいな
ワイルズ 谷山-志村予想 そこまでいけんのか
みたいなね 一歩進めるのかこれを とか
言ってですね で2日目もみんな聞きに行くん
ですね そしたら2日目もまだ確信まで
いかないんですよ どうやら谷山-志村予想を
かなりかなり進めてるっぽいってなるんですね
え これ一歩どころか結構進めてるぞ
バーってその評判があらゆる科学者に
数学者に届いて なんと3日目
それまで使ったこれ以外の理論も全て
それ以外の理論全てを作った全キーパーソンが
講堂に集まるんです 〇〇理論の誰々
□□理論の誰々 △△理論の誰々 え?これを
をやるってことは俺たちの理論を使わざるを
得ないよねっていう奴らがざーって
集まって 全員が並んでるんですね そして
運命の3日目が訪れるんです
そしてついに
谷山-志村予想をコリヴァギン=フラッハ理論によって
打ち破る そこが全てが終わって
これで証明を終わりにします
と言った瞬間に
全員がうわーっと立ち上がって うわー
うわー 300年の人類の あの悪魔の問題が
こいつが うわー もう大騒ぎになるんですね
もうそこから ついに人類を翻弄した
300年のフェルマーの最終定理が
解けたぞーと言って大評判になるんですよ
それで雑誌に載って
影響を与えた25人みたいなのにも
ワイルズはバンバンんで載るんですね
わー天才だ 天才だって 天才数学者だーってもう
CMなんかに出たりして もうすごいんですよ
もう大評判になって もう人類最高の叡智
アンドリュー・ワイルズってなるんですね
バーンとなるんです でその後にこの
アンドリュー・ワイルズの論文はめちゃめちゃ
難解ですから 概略を授業で説明して
わーってなった その後何が待ってるかと
いうと 論文の査読 精密に捜査するように
読む査読っていうのが始まるんです
もう精鋭の6人のレフェリーが選ばれて
その超超難解な論文を6分割して その精鋭が
1個1個検証するっていう時間が始まるんです
これ正しい? 合ってる? で毎回
「ここの論文どういう意味?」っていうメールが
ひたすら来るんですね それはこういう意味
こういう意味ってね で大概がですね
ちょっとわかんないとか ちょっとしたミス
だったりするので すぐにどんどん
やっていけるんですね そして半年した頃に
そのナンバー3のブロックを担当していた
レフェリーからある疑問が届けられるんですよ
「コリヴァギン=フラッハ理論のここの部分
これでいいのか?」こう届くんですね 「いや大丈夫
だよ」と返ってくるわけですよ ところがそれに
レフェリーが納得できないんです 「ん?なんか
ちょっと違うんじゃないか?」もう1回返すん
ですね いやいやこれはそんな
大したことじゃないから ん?ちょっと待て
これ結構大きいやつじゃないか?となって
波紋が広がるんですね しまった
1つだけ見落としてた それ以外は全て
完璧だったんです ナンバー1から6までの
全てが完璧だった ナンバー3もそれ以外は
完璧 しかしただ1点だけ理論に穴があった
んですね これがむちゃくちゃ問題で
いやワイルスまずいぞと 1個だけ穴がある
もちろんそれ以外はとても価値のあるもんだ
もしこの穴があると谷山-志村予想はもちろん
証明できてないことになるし
フェルマーの最終定理も証明できてない
ことになるが それでも十分に価値があるぐらい
いろんな発見と戦略に満ちてる
だがこれは問題だ
そこからその発表から数週間後には
正式な論文を全文発表すると言っていた
その論文が何ヶ月も発表されないんですよ
ワイルズは修正するって言って
何日も篭って計算を繰り返すんですが
ここをこう修正するとこっちがはみ出し
こっちを修正するとこっちがはみ出しという
袋小路に迷い込むんですね でブルブルと
震え出すわけです すると数ヶ月に渡って
出てこない 論文が出てこないもんだから
あれ?と全員が言うんですね
どうなったんですか あれ 人類最高の超天才
アンドリュー・ワイルズ あれどうなってるんすか?
ざわざわ でもそれも聞かないようにして
家に篭ってひたすら修正を
続けるんですけど 半年以上何の成果も
得られなかったことで ついにあれには
穴があったって噂が広まるんですね わーって
ワイルズ穴があった でもその頃にもう
もう持ち上げられた後ですから 大天才って
言われた後に あれは嘘だったって うわーて
大騒ぎになるんですね でもうダメだって言って
言うんですよワイルズがそのナンバー3の
レフェリーに 「もうダメだ」
「もうダメだ」って言うんですよ そうしたら
そのナンバー3が 「大丈夫だ ダメだったとしても
それを発表してみるのはどうだ?
そしたらそれをみんなが検証したら
最終的にはゴールに近づく それぐらいの
ものになってるんだよこれは」
「嫌だ たった1人でやってきたんだ
俺の10歳の頃からの夢なんだ
俺の最後のゲームなんだ 俺だけのゲームなんだ
これをこのまま渡すのは嫌だ」
「じゃあ分かった 誰か1人だけでもいい
手伝いが欲しいんだろ 誰か1人相談役を設けろ
お前1人じゃなくて 誰か1人でもいいから
手伝ってくれるやつはいないのか?」
と言って 考えに考えた結果
かつての自分の教え子に声をかけるんですね
「先生 僕でいいんですか?」
「手伝ってくれないか ピンチなんだ」
「存じ上げております」それで手伝うんですね
ところがやっぱり結果が出ないんですよ
「先生これもう無理かもしれません でも
人類にとって大きな一歩ですから 先生の
やったことは決して決して石を
投げられるような事じゃない
本当にもう叡智の塊りです
このまま行きましょう」
「いやー そうだな いやでも・・」
「分かりました先生 ここまで来たんです
あと1ヶ月だけ考えてみましょう」と言って
最後に弟子にあと1ヶ月だけ頑張ってみましょうって
言われて もう1度その論文に
向き合うんですね もうダメだってなりながら
でもうダメだっていう考え方で
じゃあなんでダメだったのかっていうことを
もう1回考えようと思って フラフラに
なりながらパッて見たら
その時パーンと降りてきたんですね
コリヴァギン=フラッハ理論はこれ単体では
使えなかった 単体で使えなかった 単体で
っていう時に放置してた岩澤理論のことを
思い出すんですね あれ?と言ってですね
岩澤理論とコリヴァギン=フラッハ理論を合わせたら
行けるっていうのが見えてきたんですよ
あれ? そっから1回食事行くんですね
コーヒー飲んでね 夢かなーって言って
もう1回戻ってもう1回見るんですね
コリヴァギンと岩澤は行けるかな?行けるって
これ行けるやつってなって ついに
修正されたんです かつてもう解けたってなって
穴があったって ダメだったっていう
パターンが実はフェルマーの最終定理で
あったんですよ だから今回も
その悪夢の再来って言われ始めた時に ついに
修正が叶ったっていうね 全ての技がもう
何も1mmも無駄がなかった 1個捨ててた
岩澤理論 あれに使った2年間が ついにこの
ピンチで役立った どうして気づかなかったんだ
コリヴァギン=フラッハと岩澤ってのは
2つで1つだったんだ ガシャーン でついに
フェルマーの最終定理は発表から2年後に
修正が効いてゴールを迎えるっていう
お話なんですよ これがすごくないですか
もう映画 もう正にこの大天才達の苦闘
もうそれが何なのか分からないでしょ
コリヴァギン=フラッハ理論 楕円方程式
モジュラー形式 岩澤理論 ガロア体系
全てわからないけれども この本を読んでると
もう不思議と熱くなるんですよ
うわーワイルズ良かったなー
やったねって でそれでワイルズは
「良かったー」って言って
その後に
「だが寂しい」って言うんですね 面白いんですよ
数学者っていうのは それ何の役に立つの
なんて言われながら そんなのを物ともせず
楽しい楽しいって言って夢中になって
人類と自然の謎に挑んでいくんですね
この誰も解いてないパズルは僕だけのもんだ
もう何でも計算できちゃう
何やっても解けちゃうて天才が
つまらないんですよ 何やっても解けちゃうから
おいらすげえな 全部の計算は100点だな
そんなことは聞き飽きた
もっと面白い問題はないのかって言って
面白い問題と向き合う その時間こそが
数学者の至高の時間なんですね
だから数学のエピソードの1つに
ある数学者に この数式は何の役に立つんですか
って言った人に対して その偉大な数学者が
言った言葉が「ああそうですか
彼に小銭を渡して帰ってもらいなさい
彼は利益が欲しいだけのようだから」
って言うんですよ つまりこの学問は美しさと
面白さの学問なんだ それをどう利用するか
そんなのは他の人間がやればいいっていうね
だからその後確率論がいろんなものに
応用されたり 数学のあらゆるもので
これで飛行機が飛ぶとか ロケットが飛ぶとか
そういうのあるんですよ これで
いろんなものができるようになりました
ってなるけど それを考えてる数学者は
ただ楽しからやってたんですって もう天才に
残された最後の遊び それが人類の謎を解決する
その中でも数論という最も根源的な
何に役立つかはその時は全く分からないものと
遊ぶ そんな10歳の頃からのゲームが
なくなった だから寂しいっていうんですね
これからもいくつかの難問に挑戦するだろう
そしてそれを解くたびに私はある
程度の喜びを得るだろう しかし
フェルマーの最終定理以上に私の人生を
燃やす遊びはないだろう そう言って
アンドリュー ・ワイルズがこの全ての伝説に
終止符を打つという 面白い
私たちの知らないところで数学ってのは
そんなスリリングでエンターテイメントに溢れた
世界だったっていうことだけでも
面白くないですか こうやって見たら数学を
ちょっとやってみようとかって思うと思う
んですよ 数学ってなんか機械のように計算
するでだけでしょ コンピューターに
やらせとけよ なんていうことじゃなくて
こういったロマンとかエンターテイメントが
溢れてるんだ そんな中最近ですねabc予想を
日本人がついに解いたっていうニュース
ご存知でしょうか はいここまでの
お話でもう分かりますね abc予想 この
予想というのはつまり この谷山-志村予想と
同じように かなりの確率で正しいだろう
真実だろうと思われながら 未だ完全な証明
がなされてないという問題です これを日本人が
解いた 是非そこ調べていただきたい
この解き方っていうのもすごかったんです
なんと全く違うジャンルの理論を持ち込んで
解いていった その査読になんと
7年間の年数を要し その上でようやく
最近科学誌に載ったんですね
ところが
未だに多くの人間は理解できていないし
多くの科学者 数学者もそれに対しては本当に
証明ができてるとは言い難いんじゃないか
という懐疑的な目線も見せていると
いうんです そうなんです フェルマーの最終定理
これも1つの人類の難問でしたが
そういう難問はまだまだあるんです そして
そこに立ち向かってるワイルズのような天才
オイラーのような天才は日本にもいる
そして現在もなお 世界中でそういう
ことについて戦っているんです
現在進行系の人類
天才の格闘 チェックしてみたくなったと
思います 数学は決して何の役に立たない
学問ではない 魅了し続けてきた 根源的な
美しい学問である 証明完了
ではまた
エクストリーム サイエンス
フェルマーの最終定理編
超面白い ありがとうございます
さあやってまいりました フェルマーの最終定理
お 中田理系をやってみるのかという
ここなんですよね 普通だったら数学とか
まあ僕ね ちょっと説明を面白くやるの難しいよと
数式びっしりはこれさすがに
エクストリーム無理ですということで
諦めてたんですが とんでもない本があったん
ですよ それがサイモン・シンという方が書いた
フェルマーの最終定理が解けるまでの
ヒストリーを書いた本なんですね これ
2000年に発売されたんですけど 今でも
歴史的名著として売れている本なんですね
この本まあまあ ちょっと見てみようかな
と思って私ねパッパッパって
眺めたんですけども 数ページ眺めただけでね
面白いってびっくりしました この本は
おもろいぞと サイエンスの
ドキュメンタリー的な本であるにも関わらず
まるでとんでもないミステリーを読んだ
かのような めちゃくちゃ面白いお話に
仕上がってたんですね で読んでみてまず
この本が面白いと同時にフェルマーの最終定理が
人類とどのように戦ってきたというかね
人類がこのフェルマーの最終定理と
どうやって戦ってきたか この歴史が
むちゃくちゃ面白いんですよ なので
今回 数学嫌いだよっていうあなたが数学が
好きになる それぐらい面白いストーリーを
お伝えしたい ヒストリーをお伝えしたいと
思っております なので細かいところ
もしかしたらミスとかもあるかもしれません
けれども そんなに面白いの数学って
何 ちょっと調べてみようかな そう思うような
ストーリーの粋を集めたのがこの
フェルマーの最終定理なので ご説明させて
ください まずフェルマーの最終定理
なんか聞いたことある これなんと300年間も
人類を翻弄した難問なんですね
300年間ですよ もうね10年に1人の天才
みたいなね人がいるとして そんなのが
もう何連敗もしてですね 死屍累々を
築いて分かりませんと この世代最高の
天才というのが解けない解けないの連続で
積み上がっていったのがこの300年間
そのフェルマーの最終定理 まずその定理って
どんなの?なんて聞くのはまだ早い 聞いたら
え何それ 意味わかんないってなっちゃうから
まず歴史を説明させて欲しいのよ この
フェルマーの最終定理というものは ことの
発端はピタゴラスなんです ことの発端
ピタゴラス 古代ギリシなんですよ 相当昔
このピタゴラスの定理っていうのは皆さん
教科書で習ったことあるよね 直角三角形の
3cm×4cmならここは5cmでおなじみの
あのx²+y²=z² え そんな都合の
いいことありますか? そうなんです
全部においてx²+y²=z²になるんです
という これを満たす
そういう直角三角形 3 4 5 そういう数字が
あるよと 3の二乗は9でしょ 4の二乗は16でしょ
5の二乗は25 9+16は25
でこういう 3 4 5
みたいな組み合わせ 綺麗だよね 美しいよね
そういう組み合わせの数はいっぱいあるんだよ
という 『美しい何これ』でおなじみ
ピタゴラス この美しさっていうのはその
当時衝撃的だったんですよ あのピタゴラスって
実はただの数学者じゃなくて ある宗教の
教祖だったんですよ 教団ピタゴラス
ピタゴラス教団っていうの持っていて
あまりにも頭がいいから もう教祖になって
たんですね それでこのピタゴラス教団って
いうのはすごくてめっちゃ面白いです
このピタゴラスだけの説明でも もう1時間やれ
ちゃうぐらい面白いんだけど ピタゴラスは
この世は美しい数でできている
っていうのが教義だったんですよ
その中でも最大の発見がx²+y²=z²
こんなものをピタゴラス教団が発見したもんだ
から もうピタゴラスの名声は止まることを
知らないよね そんな中でそのピタゴラスって
最終的にとんでもない死に方するのね
というのもその教団のその最大の
ロマンであるところの美しい数しかない
っていうのは整数しかないっていう
まだそれぐらいのことだったの だから
√2みたいなのって 1.41421356みたいな
1.4なんとかかんとかってわーって続くでしょ
1とか2みたいな整数と違うじゃない
これを弟子が1回発見しちゃうんですよ
えちょっと待ってくださいと
この1と1の直角三角形の斜めになったここ
まさにこのピタゴラスの定理で
してみたら えここ斜線√2じゃないすかと
だって1²+1²=2でしょ じゃ2に
なるものって何の2乗なの?ってとだよね
それが√2なんだよっていうね 平方根って
いう √2って整数じゃないんですけどってのを
発見してですね その弟子をですね
処刑しろっつって溺死させるっていう
とんでもない教団になっちゃったんですね
だからピタゴラス教団ってものすごい人類の
叡智を生んだけれども 闇も生んだんですよ
ピタゴラスが整数が美しい 美しい世界だって
言ったことによって この平方根とか
いわゆる無理数って言われるものの発見は
遅れるっていう 良い面と悪い面があった
んですね そんなピタゴラスのx²+y²=z²
この美しい数式というのは古代ギリシャの
後半の方の 古代ギリシャ最後の天才
と言われたディオファントスっていう
人がそういう算術って計算問題を
たくさん集めた本を出してたの すごい本
を出してた これなんとすごすぎて13巻
あるのよ 全13巻のうち これがその当時
最も発達してたビザンツ帝国
ありますね あのトルコとかの上の方のね
コンスタンティノープルとかヨーロッパと
中東の間にある あのビザンツ帝国
世界史でやりましたね あのビザンツ帝国が
ものすごい科学の先進国だったの
でそこに このディオファントスが
13巻置いてた その算術がオスマントルコの
侵略によって略奪されて そのうちの
7巻が葬り去られて 6巻だけを
持ってヨーロッパに逃げて
その6巻がその算術というすごい天才の
残した問題たちっていうのがあった
わけですよ でこの6巻の中に この
ピタゴラスの定義もちゃんと入れられてた
入ってたんですよ そして古代ギリシャから
時は飛びます 17世紀フランス そこに1人の
天才がいたんですね その名をフェルマー
と言います このフェルマー そう
フェルマーの最終定理の名の元になってる人ですよね
そうなんです このフェルマーがめっちゃ
おもしろいんですよ このフェルマーはなんと
数学者じゃないんです プロじゃないの なんと実はね
17世紀フランスの裁判官なんですよ
17世紀フランスの裁判官めちゃめちゃ
厳しくて 私生活あんまり友達と遊ばないで
くださいっていう自粛を求められて 今でも
僕もね同級生に裁判官がいて 裁判官の
人ってなんか普通に夜飲み歩くとか
あんまり奨励されてないんだって なんでかって
言うと そこで後に裁判になるような被告に
会ったりとか 弁護士とかと連んじゃうと
要するに感情が入り込むから
感情入り込んだら正式な裁判できない
でしょっていうことで かなり粛々と
1人で暮らすっていう それがすごい厳しかったの
この頃 ただ裁判官になるぐらいだから
めっちゃ頭いいんですね このフェルマーの
趣味が数学だったんです 裁判官として
静かな暮らししろって言われてる間 めっちゃ
数学をやってたんですよ 趣味なんだよね
ただこのフェルマー
趣味の域を超えちゃってるんですよ
あまりにもすごすぎて その当時の
数学者がまだ見つけてないものとかを
見つけちゃったりするの 現にパスカルって
いう数学者と組んで確率論 確率ってすごい
ギャンブルとか予想とかで使うでしょ
確率論とかの基礎を作ったりしたのも
このフェルマーなんですよ だからプロの
数学者じゃないのに偉大な発見をしたという
そのスーパーアマチュア天才野郎だった
んですよ 本業裁判官っていう しかも
これスーパーマンに見えるでしょ でも1個
欠点があったの 性格がねじ曲がってたの
このフェルマーっていうのは なんとですね
アマチュアだけどお前らプロの数学者より
俺の方が頭いいぞっていうのを
見せつけるのが趣味だったんですよ
どういうことをしたかというと 自分で問題
を作って その答えを用意し それをですね
数学者に送りつけるんですよ これできる
か?って 素人からの挑戦ですよね そして
それを数学者ができませんって言うのを
めちゃめちゃ楽しむってやつだったんですよ
「ははは」つってね 「フェルマーの問題は
解けまい」っていう そういうやつなんですね
でこのフェルマーていうのはもう単純に趣味で
数学をやってるから 論文書いてなんか発表して
みんなに教えて なんていうこと考えも
しないんですね そのフェルマーが手に
入れたのがディオファントスの算術だったん
ですよ 面白そうじゃないかと この
天才フェルマーがこのディオファントスの算術
遊ぶように解いてやろうということで
バンバン解いてたんですよ でこの
フェルマーの趣味はこのディオファントスの
算術に書いてある問題を解き終わったら
それよりちょっと難しいもを考えて自分で
解いてみる これが趣味だったんですよ
すごいよね そんな受験生いる?なんか自分でさ
問題集解いて 「簡単だな もうちょっと
難しい問題はこれ どう?」やらないよね
解いて終わるじゃん 解いて作って解いてその上で
満足するっていう 本当に天才の変態です
もう変態的天才 そのフェルマーが
この算術にでめちゃめちゃ書き込む
わけですよ この6巻にびっしり書くわけですね
でこの問題の上級問題がこれ でそれに
対する答えは うーんまこんな感じ だけど
全部は書いたり書かなかったりしてた
そんな中でフェルマーが出会ったのが この
ピタゴラスの定理だったんですよ 美しいじゃないか
そう この人間を惑わし そして人間に
全ての叡智を与えた根源的美しい数式 x²+y²=z²
皆さんも習いましたよね 覚えましたね
あなるほどなぁで皆さん終わったと思います
違うんです フェルマーは超天才ですから
これを見た後にある数式を作りたくなったんですね
じゃ上級編作っちゃおっか
ピタゴラスバージョン2.0だって言って
xⁿ+yⁿ=zⁿ
バージョンアップですね x+y=z
これが別に2乗じゃなくて1乗の場合は
その組み合わせいっぱいあるよね 1+2=3
はい2+3=5 それもう無限にある でも
2乗になるとそれは少なくなるよね
全部が全部この組み合わせじゃなから
少なくなるね じゃあ x³+y³=z³になったら
これ何パターンあるんだろう?こう思ったわけ
この発想がまず天才なんですよ
これ何パターンだろう?難しいバージョンになったら
ってなった時にですね
あれ?なかなか無いな いや待てよ
これ無いぞってなったんです なんとx²+y²=z²
の場合は これ無限にあるってことは証明さ
れてるんですね ところがそれを3にした
だけで 1個も無いということが明らかに
なってきたんです 3で無い じゃ4ならどうだ?
5ならどうだ? 6ならどうだ? いや違う
2より大きいnに関しては1個もない
これがフェルマーの書き込みだったんですよ
1個もありません
でそれを証明しないと これは定理になら
ないんですよ だけどフェルマーはそこに
書いてあるんです これに対する証明が
驚くべき方法で考えついたのだが
それを書くには この余白は狭すぎる
次のページに行ってるんですよ
どういうこと?嘘じゃない?
と思うかもしれないですけど
フェルマーはご存じの通り いろんな
やつにそういう遊びを仕掛けてきて
やっぱり解をちゃんと持ってきてた男なん
ですよ 嘘で俺は解いたなんていう男じゃ
ないんですよ 何度も何度もそういうやつを
仕掛けて 俺知ってるよってやって
知ってるっていう 実際に解いてたっていう
確率論とかも作ったっていう もうだから
実績もあるようなやつが書いてるんですよ
浮かんでる 考えてるけどこれ
余白狭すぎるわって言って ペラ
そしてそれをですね なんと誰にも発表せずに
死ぬんですね つまりクロスワードパズル
で遊んでメモ書きしてたのを大量に残して
死んだやつみたいな このフェルマーの
息子がそれを発見するんです 親父が死んだ後
ディオファントスの算術に異常な量の
書き込みがあることを見つけ その中には
価値のある書き込みがあるっていうことを
息子は気づくんですね え?これまだ世に
発表されてないやつじゃない?
この問題すごいやつじゃない?
親父 生前からすごかったけど もっと宝を
残して死んでたのか なんと息子はね数年かけて
それを解読し これには価値があると
言った上で 出版にこぎつけるんです
なんとディオファントスの算術に天才フェルマーが
問題を書き込んだものが出版されるんです
すごくない? 痕跡本がむちゃくちゃ
発売さるんですよ その人のメモ書きが
入ったものが でその中になんといくつもの
難問が含まれたんですね フェルマーの難問たち
っていうのが余白にめちゃくちゃ書かれてたの
でそプロの数学者がなんじゃこりゃーって
言ってですね解き始めるんですよ
うわーって フェルマーに立ち向かえと言って
たった1人の素人 裁判官 天才的変態が
残した余白に向かって全プロが立ち向かうん
ですよ うわーって そして1問ずつ解かれて
いくんですね よしフェルマーのメモ書きの
余白1クリア バーン 余白2バーン クリア
よっしゃフェルマーなめんなよつって それで
バンバン問題が解かれてって俺たち
プロは強いんだって言ってどんどん
どんどんその余白の問題が解かれていった
最後に残った問題 それがこれだったんです
解けない だからプロが余白に書かれた
算術の中の遊びで作られたフェルマーの
問題の中で最後まで解けなかったから
フェルマーの最終定理なんです 何が最終なのかって
フェルマーが残したダイイング
メッセージの中で解けなかった最終問題って
ことなんですよ でこれはもちろん定理って
いうのは証明がされているものを言うんですよ
だから正確には定理じゃないんです
証明されてないけど 何回それを試しても
ほとんど そういうことになる
x³+y³=z³ なんか当てはめても
うまくいかないと だからそうなんだろう
これは定理じゃなくて予想って言われるんですよ
なんとか予想ってのは数学上の用語で
まだ正式に証明されてないけど
ほとんど正しいだろうと言われている
公式のこと言うんです だから正式には
フェルマーの予想なんですよ これは だけど
フェルマーは証明したって書き残して
死んでるんです 正式にはお前らがやって
みろって言って その後300年の間 人類の叡智を
苦しめるっていうスタートなんですよ
だから数学版ワンピースですよね
そのとんでもない偉大な海賊が ここに
巨大な一繋がりの財宝を残した それが
ワンピースだと それに辿り着いた者には
全部くれてやると さあ辿り着いてみろって
全員がうわーって航海に出る これが
ワンピースですよね さあこれ 俺は証明したぜ
お前ら証明してみろよと言って死んだ
フェルマーという男に立ち向かう数学者たちの
300年間に渡る物語なんですよ
これむちゃくちゃ面白いの 嘘やんと こんな
シンプルな問題 だってさ普通に難問
て言われたら びっしり数字書かれてそう
でしょ なんか文字と知らない記号と
じゃないんですよ だって俺たちが全員知ってる
ピタゴラスを1個バージョンアップさせただけの
誰にでも説明できるこの式
だからみんな素人でもやろうと思えば参加
できるんですよ ないかな?あるかな?とかね
これどうやって証明するのかな?とかやるわけ
それができないんですよ うわーできない これ
何どういうこと 嘘だろ フェルマーは
嘘ついてたんじゃない? ところがですね
それを一歩進める天才が現れるんです さあ1753年
18世紀ですね もうすでにこれね100年近く
時が経ってですね 超天才オイラーってのが
現るんですね このオイラーってやつは
すごいんですよ もうとんでもない天才な
んですね これねオイラーをにを知ってる人は
誰しもがオイラーをこう言うんだって
人が呼吸をするように計算をし
鳥が空を浮かぶように計算をする
とんでもない量の計算が もう全く苦じゃなく
暗算でできてしまうという 天才が生まれ
たんです それがオイラーだったんですよ
このオイラーっていうのは親父が
牧師さんで オイラーのことも牧師に
しようと思ったんですね ところがこの
オイラーの才能に気づいた数学サラブレッド一家が
あいつはうちの一家を超える天才だ
って言って オイラーを
牧師しないでくれと 私たちが教えるから
オイラーに数学をさせてくれって言ってですね
数学を学ばせたんですね するともう
オイラーは才能絶賛開花させてですね
数を浴びれば浴びるほど正解を出すという
もうとんでもない力を発揮するんですね
でこの時にはオイラーは
いろんな難問を解決するという
難問解決屋になってました というのも
このフェルマーの頃までは数学ってなんか
意味ない遊びでしょって思われたんですよ
どっちかって言うと物理とか化学の方が
生活に役立つでしょ 今だって数学って
何の役に立つの?って言われたりするんですよ
でその頃はまだ理解が深まってないから
それぐらいのことだった でも数学を
実際に役立つよって証明したのが
ニュートンなんですよ このフェルマーと
オイラーの間にアイザック・ニュートンという
天才が現れて そいつが数学の世界から
物理の世界に応用して それを色んな
ものの計算に使えるよっていう風に
したことで 色んな権力者たちが
数学の進歩が科学の進歩なるんや 数学って
科学の進歩の基礎なんだっていうことが
明らかになったの この辺りで その辺りから
数学者に対して これはできるか これは
できるかっていうオーダーが入るように
なったんです オイラーはその天才性を発揮して
いろんな難問を権力者から受けては解決
するっていう難問解決屋になってたんですね
こういう場合はどうすればいい? こういう
場合はどうすればいい?数学的に解決でき
ないか? うーんできますっていう 一休さん的な
スーパー一休さん的な状態だったんです
このオイラーがすごいのは盲目の天才って
ことなんですよ ええって これどう
して盲目かていうと 後から盲目に
なったんですね その片目がまず見えなくな
なる時期があったんですね 緑内症か
白内症か目の病気で片目が見えなくなる
普通だったらね とんでもない喪失感が
あると思うんです でもオイラーもそう
だったのかもしれないですけど 片目が見え
なくなったオイラーが言った言葉がですね
「これでまた計算に集中できるな」って言った
らしいんですよ すごいんすよ その上で
もう1つの目も見えなくなるっていうことが
明らかになるんですね しばらくたって
うわぁオイラーの目が だって計算式書けないんだよ
文字書けないんだよ 論文書けないんだよ
目が見えなくなったら オイラーはもう1つの
目が見えなくなるって言っ言われた瞬間に
字を書くことだけ手に覚えさせたんですね
うわーって そしたらまず文字を書けるから
でも両方の目が見えなくなって
しばらくすると やはり字が荒れて
くるんですね でもう誰も読めないような
判別不能の字になる ああもう計算もでき
ないし 論文もかけない オイラーは終わったかと
思いきやですよ オイラーは 今まで
読んだ本の全てを記憶してるっていう
とんでもない能力と全ての計算を暗算で
できるっていうとんでもない能力を
発揮して 盲目になってから 月の動きの計算
を当てるんですね すごいんですよ すごい
天才なんですよ そんなオイラーが
フェルマーの最終定理に挑むんですね
すごくないですか そのオイラーが
フェルマーの最終定理に挑んだ その時に
発見したことあるんです まだそれは
目が見えてる頃だったんですね どうした
ものかなと思って このフェルマの書き込み
のある算術を くまなく読んだら なんと
フェルマーはこれを実際に証明してたであおうと
いう痕跡を見つけるんです それは
なんと このnが4の場合つまり
x⁴+y⁴=z⁴ が存在しないよって
いう組み合わせ この組み合わせは存在しないよ
っていうものを軽く証明して 他の問題の
証明の中にそれが混ざってたんですよ
他の問題の証明の中に x⁴+y⁴=z⁴ については
〇〇という理由で存在しないので
〇〇で〇〇で・・・って言って
うわ途中書いてるっていうのを
オイラーは発見するんですよ ここって
ちょっと雑に書かれたんですけど
それをちゃんとやると
n=4の時はないっていうことが明らかになる
んです その時使ってた手法を元に
オイラーはn=3の場合もないということ
だけは証明できるんです あのオイラーを
しても そこまでしか進まなかったんですよ
ドーン 3の時はない これだけが分かったんですね
なぜなら4の時ないってこっそり書いてたから
それを元にして作ったらこれができました
そしてオイラーは死ぬんですね
その18世紀最大の天才と言われた
オイラーがそこまでだった そしてそれを
さらに一歩進めたのが なんと女性だったん
ですね これ驚くべきことは女性である
っていうことなんですけど なんでかと
いうと この当時やっぱりまだジェンダーに
対する差別って大きかったんですね
今以上に なので女性が数学を
勉強するっていうことを全く社会が
容認しなかった時代があるんですよ 男性の
中でも学問 学問の中でも数学っていうのは
かなりマニアックな勉強 それを女性がやったって
何にも役立たないし やるべきじゃない 女性に
数学は分からないなんていう風な言われ方を
していた時代に このソフィー・ジェルマン
ていう人は数学に目覚めるんですね
なんで目覚めたかというと
まず頭がすごい良かったんですけど
その上でね 数学史っていう歴史の本を
読むんですね するとアルキメデスという
天才に出会うんです そのアルキメデスってのは
このピタゴラスよりも前の 最初の最初の
数学天才と言われているアルキメデス
このアルキメデスの歴史だけでも面白いんですよ
アルキメデスっていうのは もう
あまりにも色んなものを発明したから
国から 防御の装置を作ってくれって
言われるんですね 彼が居たのがシラクサ
という小さい島なんですよ その小さい島を守るために
「天才アルキメデスよ お前のその頭脳で
大国が攻めてきても大丈夫な装備を作ってくれ」
と言ってアルキメデスの装置
というのを島中に囲むように作るんですよ
それはいわゆるまだ投石器っていうのが
カゴに乗せて引っ張って
縄切ってボーンて投げるみたいな時代に
いわゆるピッチングマシンみたいなのを
作ってるんですよ 要するに石の大きさを
揃えて高速で車輪を回転させて
そこに流し込むと ピッチングマシンでそう
でしょ ボールが流し込んできたら高速の
ローラーの上に回ってビュンて飛ぶ
でしょ あれを考えてたんですよ
高速ローラーをみんなで下で回して ブーンて
巨大なローラーを回して そこに大きさを
揃えた丸石をザー流れ込む流れ込ませると
向こうに向かってマシンガンの如く
弾丸が発射されるという恐ろしい
武器を作ったんです ところが
そのアルキメデスっていうのは その装置を
作った頃はまだ攻められなかったから ずっと
放置されたんですね だけどある日
アルキメデスが天才というまま老人になって
よぼよぼになった頃にローマから
大軍が攻めてくるんですね そして
もうローマが攻めてきたらもうおしまいや
俺たちの島もおしまいやーってなった時に
「ちょっと待て うちの島にあれあるだろ
何十年か前にあの天才アルキメデスに作らせた
アルキメデスの装置を出せ」
って言っていきなり稼働するんです
ガンカシャンっつってね 何十年の時を経て
何十年前に天才が作った装置が火を吹くんですね
アルキメデス天才 みたいになるんですけど
結局内輪から裏切りが出て
装備の弱いところを攻められて
敵軍にが流れ込むんですね そしたら
ローマ兵がアルキメデスを見つけて「お前が
アルキメデスか?」みたいなこと言うわけですよ
というのもアルキメデスはあまりにも天才
だから殺すなって言われたんですね
殺すなって言われたんですけど その兵士は
ですね「おいくそじじぃ」といって豪邸に入る
わけですよ すると中庭に砂に向かって
図形を描いて計算してるじじぃがいるんですね
それがアルキメデスなんですよ 計算してた
んですね うーんとか言ってね そしたら
兵士が流れ込んできて 「おいじじぃお前が
アルキメデスか?」って言うわけですね
するとその兵士の1人がその砂の図形を
踏んじゃったんですね
デリカシー無いから すると「図形を踏むな
計算の途中でしょうが」つってバーンって
突き飛ばすんですね それを「なんだじじぃ」
といって刺されて殺されちゃうんですよ
そういう死に際だった これ伝説なので実際は
どうかっての分からないんですけど なんと
死ぬ間際まで計算に夢中になってて
兵士に殺されるっていう天才アルキメデスの
死っていうのがあるんですね その伝記を読んで
このソフィー・ジェルマンは え待ってと
死ぬかもしれないっていうタイミングでも
まだそんな夢中になるものって最高に
面白いんじゃない?って言って 数学って
最高なのかも に気づいて数学に熱中するんですね
で親父とかお袋は ソフィーが
なんか数学に目覚ちゃったらしいのよ
とかっ言って なんだととか言って
そんなのは女子がやることじゃないんだ
とか言ってですね 夜に数学の勉強させない
ためにローソクを全部奪うと そういう
やり方するんですね でもソフィは上手で
ローソクを奪われてもいいローソクと
隠しとくローソクがあってですね
やっぱり夜勉強してたっていう すごい
やつなんですよ でそのソフィー・ジェルマン
大人になって学校に行くわけですね
だけど学校もやっぱり女子は
受けつけないだろうということで なんと
その数学の専門学校を辞めた男性の学籍を
無理やり盗用して偽名で受けるっていう
もう根性がすごいんですよ
偽名で受けると そん中でもあまりにも
優秀だったために 偽名で受けてたんだけど
テストの点数がもう最高に良くて 出してきた答えが
もうあまりにも斬新 だからこいつは誰だ
っていって呼べってなって呼んだら女だった
そこでバレるっていう もうドラマみたいな
天才女性がいるんですね でその後
さらなる天才 ドイツの天才数学者ガウスっ
てやつと文通するんですけど その文通も
男性の偽名でやるんですね ところが
ナポレオンがそのガウスのいるドイツを攻めた
時にガウス先生死んじゃう ガウスってのは
数学の王様っていうぐらい天才って言われて
たんですね そのガウスが死んじゃうという
ことでフランスからガウスを保護するように
尽力したのソフィー・ジェルマンなんですね
で保護されたガウスが
フランスなのに何で助けてくれるんだ?と
いや実はソフィー・ジェルマンさんに
お願いされてて言って 誰だそれは
これ偽名だからガウスは知らないんですね
そこでソフィー・ジェルマンが私実は偽名
使ってました 女なんですって言って
すごいな君って言ってそのソフィー・ジェルマンが
ついにフェルマーに立ち向かうんですね
すごいでしょ このチャレンジャーたちの
エピソードが1個1個かっこいいんですよ
そのオイラーが立ち向かうとかね 盲目で月を
計算したオイラーが立ち向かうとかね
偽名でガウスを王様ガウスを唸らせたその
ソフィー・ジェルマンが立ち向かうんだよ
そしてそのソフィージェルマンが突き進んだのが
3とか4じゃなくて まとめて他のグループ別に
できないかみたいな 素数ならどうだとか
色々やるんですね その功績を元に
それを受けて 後にnが5の場合はない
そしてnが7の場合はないということを
発見する学者が現れてきます
このオイラーをしても ソフィー・ジェルマン
をしても nが3の場合 5の場合 7の場合は
無いと証明できましたに止まったというのが
ここまでのお話なんですね そしてついに
第2次世界対戦が起きます ここまで
全く進歩はありませんでした もちろん機械
の進歩あったんですね コンピューターの
存在です はいコンピューターが出現するん
ですね によって計算が圧倒的に早くなるんです
なので今までの手法で じゃあnが5は無い
7は無い なんとかは無い なんとかは無い
なんとかは無い なんとかは無いっていうのは
どんどん どんどん 桁数は上がってくるんですが
しかしそれは証明とは言わないんですね
この完全な証明というのは
全てのnにおいて 2より大きい全てのnにおいて
これが無いということを完全に証明
しなければ フェルマーに勝ったことには
ならないってことなんですよ でこの頃には
数学者たちは もうフェルマーの
最終定理なんてやってもしょうがなくない
って言うようになっていたそうなんです
というのもこういう基礎的な数字の問題を
数学のジャンルの中で数論って
呼ぶらしくて 数論は要するに
実用化までが1番遠いんですよ 基礎の
基礎だから それが一体何の役に立つかって
のは見えづらいんですね なので
速度を計算するとか 軌道を計算するとか
重量とか強さとか そういうものの方が
戦争とか産業に使いやすいでしょ
そういうものばっかりを数学者はやるようになって
ここまで基礎的で あまりにも時間のかかる
あのオイラーでもダメだった
ソフィー・ジェルマンでもダメだったものは
無理だろうって言って やらなくなり始めた
そんな中 全然違う角度からこの物語は動き
出すって話なんですよ コンピューターでも
ダメだった そんな中1955年 なんと舞台は
日本なんですよ 日本がここでっていうね
谷山豊 志村五郎という若き数学者が
非常に奇妙な思いつきをするんですね
この谷山と志村は仲が良くて お互いに
明日の日本の数学を変えようって
言ってたわけですよね 特に谷山は天才タイプ
ぼーっとしてるんだが 何かふっと思いつく
ものがある 志村は理詰めで考えていくタイプ
このコンビが非常に良かったんですね
この谷山がある時 1955年
ふっと「こういう事があると思う」
って言い出すんですね
それがなんと楕円方程式とモジュラーは
同じことなんじゃないかっていう理論です
それ今言われてですね皆さんが
えごめんなさい 何ですか?ってなったと
思います 急に突き放さないでって
思うんですけど これに関しては理解する必要は
ないです 僕自身も本を読んでも もう
わかんないです 楕円に関しての計算に便利
だった方程式の計算の仕方があるらしいん
ですよ その計算のジャンルっていうのが
楕円方程式のジャンルで これは
ディオファントスの時代から算術にも
載ってたんですね ゆったり1個のその数学の
ジャンルだと思ってください で全く別の
ジャンル モジュラーっていうジャンルが
あったんですよ これ結構マイナーで
ちょっとまあニッチな すごいマイナーで
高度なモジュラーっていうジャンルが
あったんです だから幾何学とか
数論みたいな感じで 楕円方程式って
いうジャンルとモジュラーって
ジャンルは別々に研究されてたんですよ
ところがそれが全く同じことを説明してる
んじゃないか もしくは全く同じことというか
かなり一致してるんじゃないっていう
こと言ったんです これどういうことかと
言いますと イメージで言うと電力と磁力です
電気の電力と磁石の磁力って全く別の
エネルギーだって思われてました でも今って
電磁力っていう言葉になってきてますよね
要するに磁場が電気を発生させ
るっていうことで 磁力と電気は密接に
関わりのある1つの自然現象だったんだと
だからそれを利用して要するにリニア
モーターカーみたいなね そういう技術が
生まれてくる その電磁石とかそういうのが
生まれたのも要するに
電力と磁力ってのが1つの
同じ現象についての2つの学問からのアプローチ
だったんだっていう そこが繋がるってのは
めっちゃ画期的なことなんですよ
このジャンルとジャンルが繋がるんじゃないか
っていう あまりにも画期的な発想をしたのが
この谷山豊っていう人なんですね
ただこの谷山豊が発表した頃 あまりにも
斬新すぎて 何言ってんだこいつって
なったらしいんですよ そうなの?みたいな
いやなんかすごいけど思いつきじゃない?と
この志村はですね 谷山のこと信頼してたので
これ絶対そうだと 俺が助けるからって言って
この谷山-志村予想となった これ予想だよね
だからね 証明されてないから
でも明らかに1個のパターン当てはまるね
これも当てはまるね これも当てはまるね
ってなって えじゃあ本当なの?
いやでも証明してくれないと じゃ俺がちゃんと
積み上げるからと言って志村がちゃんと
積み上げてたんですね そんな中 志村が
外国の大学に呼ばれて そこで教鞭を取る
ことになったんですね で放置された谷山が
なんと自殺してしまうんですよ えーここでと
志村からしても もうア然として
なんでだ谷山と これがね遺書も残ってるん
ですけど 理由は特にないっていうんですよ
ただ将来について不安になった 不思議なの
は谷山はその直前に婚約までしてるんですよ
婚約までしてるのに自殺しちゃうんです
でその婚約者はどうしたかというと
後を追うように自殺しちゃうんですよ
なんだこれと おい谷山これを証明するんじゃ
なかったのかと そしてその外国から戻って
きたら一緒にやろうぜって言ってたのに
俺どうすんだよと 谷山-志村予想というのは
そこから西洋に持ってかれて 証明はされて
ないんだけど かなりの確率で真実だろうと
いうことが明らかになってきたので 谷山-志村予想が
正しければこの理論も正しいっていう
研究がたくさん現れたんですよ
それを元に だけどそれが証明されないうちは
それもゴールできないっていう理論が
たくさん増えた それぐらい谷山-志村予想には
期待がかかってたんですね でもこれって
フェルマーと関係なくない? そうなんですよ
関係ないじゃん 誰もが関係ないと思ってたんです
ところが1984年 それから30年後に
ゲオハルト=フライという人がとんでもない事を
言い出したんですよ それが谷山-志村予想が
正しければフェルマーの最終定理も正しい
ということが証明されるという
異次元の接合を見せたんですね えーと
ちょ待って待って 楕円方程式とフェルマー
の最終定は関係なくない いやちょっと待って
くださいと言ってこのゲオハルト=フライがですね
フェルマーの最終定理の式をこのように書き直しますと
影響のない形でこうやって書き直すと
楕円方程式の形に酷似するんですと
これが成立しないと これも成立しないことに
なります つまりこちらが成立すれば
これは成立するんです 谷山-志村予想が
成立しないのであれば フェルマーは成立しない
だとすれば谷山-志村予想が成立するのであれば
成立する これを数学の理法で背理法って言うんですね
要するに〇〇じゃないなら△△じゃない
だとしたらこれが〇〇なら これが△△っていう
やり方があるらしいんですけど
強力なやり方らしいんですよ
それで全く関係のなかったこの
谷山-志村予想とフェルマーの最終定理を
結びつけるっていう 異次元の だってここも
ドッキングでしょ 楕円方程式とモジュラーっていう
ジャンルが実は一緒なんだーが
うわー だったのにそれが証明されたら
フェルマーの最終定理が説明できるんだ
うわー この2大トリッキーな進化によって
もしかしたら行けるかもと言って
立ち上がった最後の天才が
アンドリュー・ワイルズなんです
このアンドリュー・ワイルズってのは
めっちゃくちゃ面白いんですよ
このアンドリュー・ワイルズは なんと
10歳の時に図書館でこのフェルマーの最終定理に
出会うんですね で見て ん?と言って
ピタゴラスの定理か うんこれはもう僕は
本で読んだな はいはいはい なんだ
フェルマーの最終定理 xⁿ+yⁿ=zⁿ
2よりも大きいnの場合の この組み合わせは
無い ふーん無いか という問題か
面白いな これ答えはどうなってるんだろう
パラ
『この答えはまだ数百年間人類は
見つけられていない』 ドーン その時ですね
「これを解くのは僕だ」と思ったらしいんですよ
10歳ですよ 10歳でこのこの答えを
人類は数百年見つけられてないって見た
瞬間に「これを解くのは僕だ」って確信して
それからなんとフェルマーの最終定理を
解くためだけに生きてきたっていう
少年が来るんですね ついに ついに
天才の中の天才 アンドリュー・ワイルズが
動き出すんです そして1986年ね大学に
入ってもフェルマーの最終定理をやりたい
なんていう もう若い天才はいなかったって
いう時代にアンドリュー・ワイルズは自分の
上司となる 師匠となる教授に
「いつかフェルマーの最終定理をやりたいと
思ってます」って言うわけですね
「いや君それをやるのか あれに飲み込まれて
数学のキャリアを棒に振った若者たちは
枚挙に遑がないんだぞ 何十年やっても
何の結果も得られずに終わるという数学者殺し
なんだあれは 魂を飲み込んできた悪魔の
方程式だ 君はそれに挑むのか?
数学者としての堅実な成功を捨てて」
「私はそのために ここまで来たんです」すごいやつだ
ワイルズすごい 「分かった じゃあとりあえず
まずはフェルマーの最終定理に至る前に
これを勉強してきなさい」と言って勉強してたのが
なんと楕円方程式だったんです 偶然にも
この楕円方程式はフェルマーもお気に入りの
やり方だったんですね なぜなら
ディオファントスの算術でかなり分厚めに
ここの理論が書いてあるから だからこの
師匠もフェルマーの最終定理に行くには
楕円方程式が鍵になるかもしれないから
やっときなさいと何の気なしに進めたんです
ところがある時 その研究を
進めてたワイルズのところにニュースが
来るんですね 谷山-志村予想がフェルマーの
最終定理の鍵になる ドーン あの楕円方程式と
モジュラーを結びつけているという谷山-志村予想
これすらも誰も解けてなかったんですね
それさえ でもフェルマーの最終定理よりは
解けるかもしれないと思われた あれ
自分の専門ジャンルでもある あれ それさえ
あれば自分の最後のボスが倒せる 自分が
磨いてた剣がラスボスを倒すために必要な
剣だった そしてワイルズはついに立ち上がります
「教授 私に研究をさせてください」
「なんだね」「フェルマーの最終定理に
挑みたいと思います」それが1986年のこと
だったんですね アンドリュー・ワイルズはもちろん
その時もうすでに教授になってたので講義の仕事
とかも色々あるんですよ 他にも研究会とか
ゼミとか色々ある だけどね その必要最低限の
業務以外の全ての時間を自宅に籠りきる
という作戦に出たんです これが
いかにすごいかと言うと 普通数学の
新しい理論の証明とか難しいから 途中ミス
してもだめでしょ だから何人かで共同で
研究するっていうのがトレンドだったんです
でチェックしながら何人かで証明しました
このチームの功績です こういう風にやるの
それをたった1人で家に籠る
変態の所業です ついに天才だけじゃなくて
変態的天才がもう1度現れたんですよ
変態的天才 これは僕の楽しみだから
そういうわけですね なんとアンドリュー・ワイルズは
自分1人で手柄を収めたいというのも
もちろんあったと思うんですが こんなに
楽しい仕事は誰にも渡したくない これは僕の
遊びなんだ だって10歳の頃からずっと
やってきた ずっとやりたかったゲームなん
だから そのために全ての理論を学んできたんだ
フェルマーの最終定理を解くためだけに
俺は生まれてきて 生きてきた さあ
ゲーム開始だ そう言って家に籠るんですね
で家に籠っちゃうと数学者としてね
あいつなんか最近こもってんな 怪しいなって
なって噂話をされるのも嫌だったらしいんですよ
どうしたか その後なんとですね
6年間家に籠るっていうとんでもない
変態ぶりを見せるんですけど その6年間
アンドリュー・ワイルズは1個も疑われなかっ
たんです 普段通りの仕事をしてるという方版を
崩さなかった なぜか もう天才ならではなん
ですけど 実はもう1986年に1個
そこそこ価値のある発見をした論文を
書いてたんですね ところがそれを発表して
わーって騒ぎになる すると次は次は?つぎは?って
言われるでしょ だからなんとそれを
何分割にもして ちょっとずつちょっとずつ
定期配信するっていう
デアゴスティーニみたいなね 組み立て式
みたいな 次はワイルズみたいな 次はこれだよ
なんつってね どんどん実験が進んでるね
この6年間でってみんなが言ってたんですけど
なんと6年前にもう答えまで出てたって
言うんですよ それを定期的に配信
することで 研究のノイズを減らすっていう
スーパー天才変態野郎だったんですよ
その間にいろんな理論をもう古今東西から
引っ掻き集めるんですね この
ガロア理論っていうのを1832年に
死んだ不遇の天才ガロアっていうのが発表
してた理論が使えるってことを見つけるんですね
このガロアってのめっちゃ面白いんですよ
もうねすごい天才だったけど くそ生意気で
もういろんな上層部にものすごく
圧力をかけられて潰されて
不遇の死を遂げるっていうガロアが
死ぬ間際に これだけは後世に繋いでおけって
言って もうぐちゃぐちゃに書いた理論
それが 使えるってなってですね
そんなことある?っていう そんな
ヒーローみたいな主人公みたいなやつが
吸収される脇として使われてくるんですね
さらに岩澤理論 ここも日本ですね
岩澤理論っていうのも新しいってなって
これ使えるんじゃないかって言ったんですけど
岩澤理論はちょっとこれ単体では
使えないなと言って1回放棄します
で悩んでた時 悩んでた時にもうだから数年
経ってますからね 一歩一歩進んでたんですけど
うーんと悩んでた時にコリヴァギン=フラッハ理論に
辿り着きます はいもう訳が分かりませんね
コリヴァギン=フラッハ理論っていうのは
コリヴァギン教授っていうのがまず
原案を考えて フラッハという数学者が
それをブラシュアップしたっていう理論です
新しい理論なんですよ 新式装備 これは
だから旧式装備ガロアvs新式装備コリヴァギン=フラッハ理論
これを見つけてこの新式装備を使えば
一歩進むぞということで計算を
始めようとするんですが このコリヴァギン
フラッハ理論 新式の理論で新式装備であるが故に
計算も複雑で大変なんです いよいよ
6年間潜伏した上で これを持って
トドメを指したいと思った時に 1人でやると
時間がかかるという壁にぶち当たりました
さあどうします 6年間篭って1人でやって
きました でもこのコリヴァギン=フラッハ理論を
使う最後の一歩は時間がかかるんです
1人手助けが欲しい しかしあいつ
フェルマーやってんぜ もうすぐ行けるぜって
いうのは絶対に口割られたくない たった
1人でいい
頭のいい協力者が欲しいということで
探したんですね すると同じ大学の信頼
できる同僚カッツという協力者を
得るんですね そしてある日
カッツのところに行くんですね
「どうしたんだワイルズ」
「話がある」
「ふー 谷山-志村予想 解けそうなんだ」
「えーっ」「手伝ってくれないか?」
「本当なのか ワイルズ」と ワイルズが
この大学で1番の天才だってことはみんな知ってる
わけですよ そのワイルズがなんだか
こそこそしてる雰囲気があった それが
いきなり静かに言ったんですね「谷山-志村予想が
証明できそうなんだ手伝ってくれないか」
「もちろん手伝うよ それはどういう
仕組みで今どこまで行ってるんだ」
でもそれを説明するにはあまりにも
時間が必要だったんですね だめだこれは複雑
すぎるから 君が今授業とかに使ってる
時間 学生の授業とかの時間を
なんとかそれに当てられないかって言って
なんとこのワイルズとカッツは
とんでもない方法にでるんです
それがなんと
このワイルズがこれまで組み立てた理論を
カッツに説明するためだけの授業っていうのを
開校するんです なので授業をしてるよ
っていう風に大学には見せるんですが
それは全部カッツにそれまでの経緯を発表
するっていう授業なんですよ ところがそれが
谷山-志村理論とかとフェルマーのための
道筋って言われずに始まってるから
学生は この教授何喋ってんのって
言うことが分からないんですよ なので
最初は受けに来てたワイルズの生徒たちが
ちょ分かんねえわ この先生ちょっと
おかしくなってるって言って1人減り2人減り
最後にまんまと 教えるワイルズの前には
カッツしか残らないっていう状態作るんですよ
で授業で「ふんふんふ昨日の続きは?」
とか言って もう超熱心な生徒が1人だけ
いるんですね そういう授業をやって
カッツにそれまでの情報を全部
教え込むんです そして分かったと
コリヴァギン=フラッハ理論 これの応用の計算
についての手伝をすればいいんだな
というところに至ります
「そうだとカッツやってくれって」
そこまで言って わーっと組み上げて
ついに1993年
イベントが開かれるんですね それは
新しい理論とかを発表するっていう
そういう形式だったんです でこの
ワイルズは3日間連続で講義をするという
それも新しい発見についての講義です
それが何なのかっていうのは誰も知らない
状態で始まるんですよ ところが
ワイルズが何かを仕掛けてきそうだという
噂がこのイベントの数日前に
ファーって噂が広がるんですよ ワイルズが
なんか ワイルズがなんか とんでもないこと
してるらしい うわあって盛り上がるんですね
どうやら谷山-志村予想に関わるものっぽい
その噂まで行くんですね
谷山-志村予想 あれを解くってことか
フェルマーをってことか
無理だろう とりあえず聞いてみよう
ざーっと集るんですね 客が固唾を吞む中で
1日目 ワイルズは普通に谷山-志村予想
に繋がるような授業するんですが
証明しきらないんですね で全員が
そこで受けてた全員がメールを飛ばすんですよ
「ワイルズの授業を受けた どうやら
谷山-志村予想の証明に繋がる1歩
第1歩を見つけた そういう内容になるっぽいぞ」
要するに完全に証明できないけど1歩進む
みたいな そういう授業っぽいと
それだけでも価値がありますから えすごいな
ワイルズ 谷山-志村予想 そこまでいけんのか
みたいなね 一歩進めるのかこれを とか
言ってですね で2日目もみんな聞きに行くん
ですね そしたら2日目もまだ確信まで
いかないんですよ どうやら谷山-志村予想を
かなりかなり進めてるっぽいってなるんですね
え これ一歩どころか結構進めてるぞ
バーってその評判があらゆる科学者に
数学者に届いて なんと3日目
それまで使ったこれ以外の理論も全て
それ以外の理論全てを作った全キーパーソンが
講堂に集まるんです 〇〇理論の誰々
□□理論の誰々 △△理論の誰々 え?これを
をやるってことは俺たちの理論を使わざるを
得ないよねっていう奴らがざーって
集まって 全員が並んでるんですね そして
運命の3日目が訪れるんです
そしてついに
谷山-志村予想をコリヴァギン=フラッハ理論によって
打ち破る そこが全てが終わって
これで証明を終わりにします
と言った瞬間に
全員がうわーっと立ち上がって うわー
うわー 300年の人類の あの悪魔の問題が
こいつが うわー もう大騒ぎになるんですね
もうそこから ついに人類を翻弄した
300年のフェルマーの最終定理が
解けたぞーと言って大評判になるんですよ
それで雑誌に載って
影響を与えた25人みたいなのにも
ワイルズはバンバンんで載るんですね
わー天才だ 天才だって 天才数学者だーってもう
CMなんかに出たりして もうすごいんですよ
もう大評判になって もう人類最高の叡智
アンドリュー・ワイルズってなるんですね
バーンとなるんです でその後にこの
アンドリュー・ワイルズの論文はめちゃめちゃ
難解ですから 概略を授業で説明して
わーってなった その後何が待ってるかと
いうと 論文の査読 精密に捜査するように
読む査読っていうのが始まるんです
もう精鋭の6人のレフェリーが選ばれて
その超超難解な論文を6分割して その精鋭が
1個1個検証するっていう時間が始まるんです
これ正しい? 合ってる? で毎回
「ここの論文どういう意味?」っていうメールが
ひたすら来るんですね それはこういう意味
こういう意味ってね で大概がですね
ちょっとわかんないとか ちょっとしたミス
だったりするので すぐにどんどん
やっていけるんですね そして半年した頃に
そのナンバー3のブロックを担当していた
レフェリーからある疑問が届けられるんですよ
「コリヴァギン=フラッハ理論のここの部分
これでいいのか?」こう届くんですね 「いや大丈夫
だよ」と返ってくるわけですよ ところがそれに
レフェリーが納得できないんです 「ん?なんか
ちょっと違うんじゃないか?」もう1回返すん
ですね いやいやこれはそんな
大したことじゃないから ん?ちょっと待て
これ結構大きいやつじゃないか?となって
波紋が広がるんですね しまった
1つだけ見落としてた それ以外は全て
完璧だったんです ナンバー1から6までの
全てが完璧だった ナンバー3もそれ以外は
完璧 しかしただ1点だけ理論に穴があった
んですね これがむちゃくちゃ問題で
いやワイルスまずいぞと 1個だけ穴がある
もちろんそれ以外はとても価値のあるもんだ
もしこの穴があると谷山-志村予想はもちろん
証明できてないことになるし
フェルマーの最終定理も証明できてない
ことになるが それでも十分に価値があるぐらい
いろんな発見と戦略に満ちてる
だがこれは問題だ
そこからその発表から数週間後には
正式な論文を全文発表すると言っていた
その論文が何ヶ月も発表されないんですよ
ワイルズは修正するって言って
何日も篭って計算を繰り返すんですが
ここをこう修正するとこっちがはみ出し
こっちを修正するとこっちがはみ出しという
袋小路に迷い込むんですね でブルブルと
震え出すわけです すると数ヶ月に渡って
出てこない 論文が出てこないもんだから
あれ?と全員が言うんですね
どうなったんですか あれ 人類最高の超天才
アンドリュー・ワイルズ あれどうなってるんすか?
ざわざわ でもそれも聞かないようにして
家に篭ってひたすら修正を
続けるんですけど 半年以上何の成果も
得られなかったことで ついにあれには
穴があったって噂が広まるんですね わーって
ワイルズ穴があった でもその頃にもう
もう持ち上げられた後ですから 大天才って
言われた後に あれは嘘だったって うわーて
大騒ぎになるんですね でもうダメだって言って
言うんですよワイルズがそのナンバー3の
レフェリーに 「もうダメだ」
「もうダメだ」って言うんですよ そうしたら
そのナンバー3が 「大丈夫だ ダメだったとしても
それを発表してみるのはどうだ?
そしたらそれをみんなが検証したら
最終的にはゴールに近づく それぐらいの
ものになってるんだよこれは」
「嫌だ たった1人でやってきたんだ
俺の10歳の頃からの夢なんだ
俺の最後のゲームなんだ 俺だけのゲームなんだ
これをこのまま渡すのは嫌だ」
「じゃあ分かった 誰か1人だけでもいい
手伝いが欲しいんだろ 誰か1人相談役を設けろ
お前1人じゃなくて 誰か1人でもいいから
手伝ってくれるやつはいないのか?」
と言って 考えに考えた結果
かつての自分の教え子に声をかけるんですね
「先生 僕でいいんですか?」
「手伝ってくれないか ピンチなんだ」
「存じ上げております」それで手伝うんですね
ところがやっぱり結果が出ないんですよ
「先生これもう無理かもしれません でも
人類にとって大きな一歩ですから 先生の
やったことは決して決して石を
投げられるような事じゃない
本当にもう叡智の塊りです
このまま行きましょう」
「いやー そうだな いやでも・・」
「分かりました先生 ここまで来たんです
あと1ヶ月だけ考えてみましょう」と言って
最後に弟子にあと1ヶ月だけ頑張ってみましょうって
言われて もう1度その論文に
向き合うんですね もうダメだってなりながら
でもうダメだっていう考え方で
じゃあなんでダメだったのかっていうことを
もう1回考えようと思って フラフラに
なりながらパッて見たら
その時パーンと降りてきたんですね
コリヴァギン=フラッハ理論はこれ単体では
使えなかった 単体で使えなかった 単体で
っていう時に放置してた岩澤理論のことを
思い出すんですね あれ?と言ってですね
岩澤理論とコリヴァギン=フラッハ理論を合わせたら
行けるっていうのが見えてきたんですよ
あれ? そっから1回食事行くんですね
コーヒー飲んでね 夢かなーって言って
もう1回戻ってもう1回見るんですね
コリヴァギンと岩澤は行けるかな?行けるって
これ行けるやつってなって ついに
修正されたんです かつてもう解けたってなって
穴があったって ダメだったっていう
パターンが実はフェルマーの最終定理で
あったんですよ だから今回も
その悪夢の再来って言われ始めた時に ついに
修正が叶ったっていうね 全ての技がもう
何も1mmも無駄がなかった 1個捨ててた
岩澤理論 あれに使った2年間が ついにこの
ピンチで役立った どうして気づかなかったんだ
コリヴァギン=フラッハと岩澤ってのは
2つで1つだったんだ ガシャーン でついに
フェルマーの最終定理は発表から2年後に
修正が効いてゴールを迎えるっていう
お話なんですよ これがすごくないですか
もう映画 もう正にこの大天才達の苦闘
もうそれが何なのか分からないでしょ
コリヴァギン=フラッハ理論 楕円方程式
モジュラー形式 岩澤理論 ガロア体系
全てわからないけれども この本を読んでると
もう不思議と熱くなるんですよ
うわーワイルズ良かったなー
やったねって でそれでワイルズは
「良かったー」って言って
その後に
「だが寂しい」って言うんですね 面白いんですよ
数学者っていうのは それ何の役に立つの
なんて言われながら そんなのを物ともせず
楽しい楽しいって言って夢中になって
人類と自然の謎に挑んでいくんですね
この誰も解いてないパズルは僕だけのもんだ
もう何でも計算できちゃう
何やっても解けちゃうて天才が
つまらないんですよ 何やっても解けちゃうから
おいらすげえな 全部の計算は100点だな
そんなことは聞き飽きた
もっと面白い問題はないのかって言って
面白い問題と向き合う その時間こそが
数学者の至高の時間なんですね
だから数学のエピソードの1つに
ある数学者に この数式は何の役に立つんですか
って言った人に対して その偉大な数学者が
言った言葉が「ああそうですか
彼に小銭を渡して帰ってもらいなさい
彼は利益が欲しいだけのようだから」
って言うんですよ つまりこの学問は美しさと
面白さの学問なんだ それをどう利用するか
そんなのは他の人間がやればいいっていうね
だからその後確率論がいろんなものに
応用されたり 数学のあらゆるもので
これで飛行機が飛ぶとか ロケットが飛ぶとか
そういうのあるんですよ これで
いろんなものができるようになりました
ってなるけど それを考えてる数学者は
ただ楽しからやってたんですって もう天才に
残された最後の遊び それが人類の謎を解決する
その中でも数論という最も根源的な
何に役立つかはその時は全く分からないものと
遊ぶ そんな10歳の頃からのゲームが
なくなった だから寂しいっていうんですね
これからもいくつかの難問に挑戦するだろう
そしてそれを解くたびに私はある
程度の喜びを得るだろう しかし
フェルマーの最終定理以上に私の人生を
燃やす遊びはないだろう そう言って
アンドリュー ・ワイルズがこの全ての伝説に
終止符を打つという 面白い
私たちの知らないところで数学ってのは
そんなスリリングでエンターテイメントに溢れた
世界だったっていうことだけでも
面白くないですか こうやって見たら数学を
ちょっとやってみようとかって思うと思う
んですよ 数学ってなんか機械のように計算
するでだけでしょ コンピューターに
やらせとけよ なんていうことじゃなくて
こういったロマンとかエンターテイメントが
溢れてるんだ そんな中最近ですねabc予想を
日本人がついに解いたっていうニュース
ご存知でしょうか はいここまでの
お話でもう分かりますね abc予想 この
予想というのはつまり この谷山-志村予想と
同じように かなりの確率で正しいだろう
真実だろうと思われながら 未だ完全な証明
がなされてないという問題です これを日本人が
解いた 是非そこ調べていただきたい
この解き方っていうのもすごかったんです
なんと全く違うジャンルの理論を持ち込んで
解いていった その査読になんと
7年間の年数を要し その上でようやく
最近科学誌に載ったんですね
ところが
未だに多くの人間は理解できていないし
多くの科学者 数学者もそれに対しては本当に
証明ができてるとは言い難いんじゃないか
という懐疑的な目線も見せていると
いうんです そうなんです フェルマーの最終定理
これも1つの人類の難問でしたが
そういう難問はまだまだあるんです そして
そこに立ち向かってるワイルズのような天才
オイラーのような天才は日本にもいる
そして現在もなお 世界中でそういう
ことについて戦っているんです
現在進行系の人類
天才の格闘 チェックしてみたくなったと
思います 数学は決して何の役に立たない
学問ではない 魅了し続けてきた 根源的な
美しい学問である 証明完了
ではまた